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ハイデガー哲学入門 「存在と時間」を読む 講談社現代新書

仲正昌樹

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062883412
ISBN 10 : 4062883414
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2015
Japan

Content Description

なぜハイデガーは今でも重要なのか?20世紀最大の問題作を攻略する。

目次 : 第1章 何故、「主体」ではなく、「現存在」と言うのか?(「存在」への問い/ 「我あり」から「存在」そのものへ ほか)/ 第2章 「ひと=世間」の何が問題なのか?(「共同存在」としての「現存在」/ 「ひと」の「空談」 ほか)/ 第3章 「死に向かう存在」にとっての「良心」とは?―「覚悟」するのは誰か?(死に向かう存在/ 死と投企と自由 ほか)/ 第4章 「存在」と「時間」はどういう関係なのか?(理解と時間性/ 時間性と歴史性 ほか)/ 終章 『存在と時間』の残した課題

【著者紹介】
仲正昌樹 : 1963年、広島県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程修了(学術博士)。現在、金沢大学法学類教授。文学や政治、法、歴史などの領域で、アクチュアリティの高い言論活動を展開している(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ころこ

    以前は人間という存在は如何なる存在か、と実存主義的に読まれていました。それは、そもそも存在するということとは如何なる事態かという問いとして立ち上がっていたはずです。思弁的実在論はこの議論の更に外側に出ようとしており、マルクス・ガブリエルの議論は現存在に極めて近いことに気付きます。『存在と時間』であっても、存在するということを直接理解するには至らず、周囲を廻っている印象を受けます。所詮、人間には人間の一定の可能性の範囲でしか存在を理解できませんが、それを絶妙に論じているのはハイデガーであったと再認識します。

  • みつ

    間もなく「高齢者」に足を踏み入れる我が身を顧みて、「未読の必読書」の筆頭とひしひしと感じている『存在と時間』。かつてのNHK番組『100分de名著』ではなんとなく分かったように感じていたが、以来本家を手に取ることもなく、まずは入門書からと考えたものの非常に難解。「現存在」「世界内存在」「投企」「先駆的決意性」「歴運」などの術語も、「死へと向かう本来的存在を自らの「実存」として受け容れることを「自由」と呼んでいる。」(p149)などの言い回しも、独特の魅力に富んでいるが、分かったかとなると全く心許ない。➡️

  • テツ

    『存在と時間』の解説書。そもそもハイデガーによる原著が難解な上に未完だけれど、ぼんやりと理解が(2ミリ程度)進んだ気がする。この世界に否応なく投げ込まれたぼくたちは死という約束された終わりのイベントごと環境も偶然も全てを引き受けて存在する。現存在としてのぼくたちは、能動的に、受動的に、世界を選択し、その結果にまで責任をもち、存在を続けていく。自身の生をどんな覚悟でどう消費していくのか沈み込むように考えたい。ハイデガー語のような難解な言葉もなるべく避けて書かれているようでかなり読みやすかったです。

  • masabi

    ハイデガー『存在と時間』の解説に焦点を当てた一冊。ハイデガー独自の語法を筆者が可能な限り噛み砕いて説明しているので、ある程度理解することができた。デカルトによる近代哲学の確立が西洋哲学から存在論や時間論を日陰に追いやったことを問題視し、それらを再度哲学史に位置付けようとしたのが氏の著作である。『存在と時間』の引用が随所でなされていたが、解説なしにはその理解は困難を極めそうだった。難解な書を一回読んだだけで理解しようとするのは蛮勇だが。

  • nami

    難解な「存在と時間」の中でも特に難解な箇所を要約してくれているのでわかりやすい。あとがきに書かれていた「ハイデガーというのは、自分が一体何者なのか、何をやっているのか分からなくなる不安定な気分の中で読むにふさわしい哲学者であるような気がする。」この言葉にはとても頷ける。決められた運命(責任)からは逃れられないが、自らの行為に意味付けをして、自分の物語を作っていくことは出来る。虚無感が付き纏う人生だからこそ、「ただ何となく」生きている暇など1秒も無いのだと、行き詰まった時には思い出したい。

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