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文学は書き換えを誘う リライトの日本文学史 平凡社新書

今野真二

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784582858112
ISBN 10 : 4582858112
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2016
Japan

Content Description

本歌取りは和歌の作法の王道であり、『源氏物語』や『平家物語』に材をとるリメイク作品が、日本文学史の背骨を形作る。明治の開化は欧米文学の翻案で彩られ、作家たちは自作の別バージョンを生み出してしまう。文学の領域はさまざまなリライト現象に満ちている。推敲という書き換えのはじまりから遙かな翻案の連鎖まで、読み手を書き手に変える文学の力の多様な発現をたどる。

目次 : 第1章 古典はリメイクされる―源氏物語と牡丹燈篭/ 第2章 翻案というリライト―明治の翻案小説と幽霊塔の歴史/ 第3章 推敲と書き換えのはじまり―漱石と賢治の自筆原稿/ 第4章 作家たちは書き換える―「鼻」と「山椒魚」/ 第5章 詩はどのバージョンがよいと言える?―てふてふ・有明・あむばるわりあ/ 第6章 少年少女のために―乱歩の場合その他/ 第7章 歌詞の変容―春の小川はさらさら流る

【著者紹介】
今野真二 : 1958年、神奈川県生まれ。早稲田大学大学院博士課程後期退学。清泉女子大学教授。専攻、日本語学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ばりぼー

    古典文学や外国文学の翻案(リメイク)、作家自身による推敲(リライト)など、さまざまな「書き換え」の実例を示して分析を試みた書。例えば、中国の「剪燈新話」に収められた「牡丹燈記」を翻案した三遊亭円朝「怪談牡丹燈籠」、さらにそれをリメイクした五代目尾上菊五郎の歌舞伎、小泉八雲「宿世の恋」、魔夜峰央や波津彬子のコミック「牡丹燈籠」、唐十郎「青春牡丹燈籠」など、枚挙にいとまがない。文学作品は書き換えを促す何らかの「力」、自ら生まれ変わろうとする「力」を内在しているとすれば、文学作品は生きていると言ってもよい。

  • 霧凛

    様々な「書き換え」についての新書。前半はただ異なりを列挙するだけのようで分かりにくいし退屈したが、後半は「書き換え」の意図などにも言及していて興味深かった。前半部分は図を使うなりでもっと分かりやすく面白くできたのではないか?と少し残念ではあるが、全体としては文学研究の視点を増やせた気がするので読んでよかった。

  • むつみ

    歌詞の書き換え等、「時局によって」が大きいが、その背景にあるものを考えねばならない、との指摘。心に銘ずる。

  • oooともろー

    「リメイク」の定義がかなり広範囲。できれば『舞姫』にも触れて欲しかった。

  • むむむ

    芥川が古典から着想をして書いていたのは周知のことであるが、それに限らず、さまざまな書き替えがなされたことがよくわかる。そもそも、羅生門でも初稿から変遷をしており、それを対照するのも面白い。 思えば、和歌においても本歌取りがあり、昔から以前の作品を念頭に置いた表現があったことがわかる。銀河鉄道の夜にしても、原稿を見ると推敲のあとが見てとれる。時代を経ずに変化する作品を見るのも楽しいだろう。 今回、最も驚いたのは歌詞の変化である。春の小川の歌詞は「さらさら行くよ」だとばかり思っていたが、そうではなかったのだ…

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