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「お静かに!」の文化史 ミュージアムの声と沈黙をめぐって

今村信隆

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784867660706
ISBN 10 : 4867660701
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

芸術と出会う場所、美術館。
その鑑賞はどのような環境で行われるのが望ましいのだろうか。
「お静かに!」と言わざるを得ない環境に関わるすべての方に。

作品にじっくりと向き合い、それを味わったり理解したりするための〈沈黙〉か〈静粛〉か。
それとも〈語らい〉や〈対話〉のある空間か。
作品の鑑賞にとっては、どちらが、より好ましいだろうか。
あるいは、どちらがより「正しい」のだろうか。

本書は、美術作品の鑑賞という営みと、「声」や「会話」との関係について考えます。「お静かに!」の背後にひろがる諸問題についてです。

〈沈黙〉や〈静粛〉か。〈語らい〉や〈対話〉か。
対立させて考えるのではなく、両者に真摯に向き合い、人間にとっての根源的な欲求である美術鑑賞、その空間を考えます。

美術館だけではなく、図書館、劇場、コンサートホールなど、公共性のはざまで揺れながら考える人に。ぜひお読みいただきたい本です。

【熟視し、黙想し、芸術作品の深みへと沈潜していくこと。
対話し、ときには笑い合い、隣にいる人たちとのコミュニケーションを含めて作品を楽しむこと。
人は、その両方を求めてきたし、今日も求めているのではないか。芸術作品はこれまでその両方の求めに応じてきたし、現在も、そして未来も、応じ続けていく力を備えているのではないか。だからこそわたしたちは、二つの営みのどちらにも、真摯に目を注いでみる必要があるのではないだろうか。】……「はじめに」より

【著者紹介】
今村信隆 : 北海道大学大学院文学研究院准教授。放送大学客員准教授。1977年、北海道生まれ。北海道大学文学研究科博士後期課程修了。博士(文学)。民間のバス会社で働いた後、札幌芸術の森美術館に勤務。その後、京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)専任講師、同准教授、甲南女子大学准教授等を経て、現職。北海道大学プラス・ミュージアム・プログラム代表(2022〜2024年度)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • MASA123

    図書館の新刊本コーナーにあった本。おもしろかった。本の内容は、帯に記されている通りなのでそのまま引用しておく。・・・作品にじっくりと向き合い、それを味わったり理解したりするための〈沈黙〉か〈静粛〉か。それとも〈語らい〉や〈対話〉のある空間か。作品の鑑賞にとっては、どちらが、より好ましいだろうか。あるいは、どちらがより「正しい」のだろうか。・・・ 自分の場合、基本は美術館では自分だけの作品(の鑑賞)を楽しみたいので沈黙派だけど、偶然、出くわした鑑賞ガイドツアーの作品説明が、いいね!と思うこともある。

  • つまみ食い

    美術館などでなぜ静かに鑑賞することが求められるのか、という問いを起点に芸術作品の鑑賞についての言説史へと進んでいく

  • Humbaba

    ある体験をしているときに、他の人のコメントが入ってくる。そして、そのコメントに引きずられて自分の感じ方も変わってくる。変化は良い方向の時もあれば悪い方向の時もあり、それは悪いものという訳でもない。ただし、必ずしも良いものというわけではなく自分自身の感覚を大切にしたいという時もある。どちらを求めるかは人によってもそのタイミングによっても変わってくるが、他人に強制されたいものではない。

  • カフェラテ

    図書館本。前々から美術館は静かに鑑賞するべきなのか?という疑問があり手に取ってみた。文化史というだけあり、いつから公共の場で静かにすることが広まっていったのか?美術館に留まらず、古今東西の歴史を紐解いていく。昔は読書は皆黙読ではなく音読だったという史実には驚いたと同時に、そういえば時代劇の寺子屋とかそうだよなーと納得。文献が古く、そのままを引用している箇所があり漢字が難読すぎて読むのに時間がかかってしまった。その点が難点。せめてフリガナはふって欲しかった。

  • skr-shower

    一人静かに芸術に対し、深く沈むように鑑賞するのも良し。対話しながら鑑賞するも良し。大声や他者に言い聞かせるような自論は迷惑なので「お静かに」。対話しなければ鑑賞できない人は控えめな話声だと思われます。撮影できない・触れないが可能になっている展覧会もあるのだから、「お静かに」も色々パターンがあらわれるでしょう。

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