Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

• まふ

  読了日：2023/11/21

  読売新聞図書欄で紹介されていた。架空の地域、都市が精密な地図上に描かれており、そのもっともらしさに驚く。都市の名前も楠崎市、鷹津市、多奈崎市などいかにもありそうだ。空想地球全図もあり、大陸群の不思議な姿がそれらしく描かれ、その一つの大陸の北端に日本に似た「北神公国連邦」が載っている。空想地図作成家の紹介もなされており、その皆さんの多くは少年のころから作ってきたらしい。世界中にも同好の空想家がいるようで、この趣味がワールドワイドな（かつ密やかな）ものであることが理解できた。

• サアベドラ

  読了日：2023/09/05

  趣味で制作されたリアルな架空の地図（本書では「空想地図」）を紹介し、それらの作品の背後にあるテクニックや工夫を解き明かす本。2023年刊。著者も空想地図の製作者で、自身の作品も取り上げている。人工言語や架空史の地図版といったところか。地理学や歴史学などの知識はもちろんのこと、実際に足を運んだ様々な土地の経験をフル動員して非常に緻密な、本物と見紛うような地図を作り上げる情熱と手腕には驚嘆の一言。オープンワールドやメタバースが騒がれる昨今、このレベルでリアルな地理を創作できる人は需要があるのではないかと思う。

• あんこ

  読了日：2024/02/19

  私が知らないだけで、この町○○県にあるよと言われたら信じてしまいそうなよくできた架空の地図たち。作者によっては世界地図(プレートや地形、気候や海流、平均気温や降水量など)まで考えたり、現在の地図だけでなくその土地の古地図まで考えてる人も。きっと地名の由来とかも考え出したら奥深いんでしょうね。作者の簡単なプロフィールも載ってて、子供の頃から書き始めている人が多いみたい。面白かったです。

• つちっち

  読了日：2025/11/13

  どっか見覚えがあるなあと思ったら、タモリ倶楽部で見たやつ。作者の頭の中にはそこに暮らす人間まで存在していて、古くは本居宣長が空想したものもあって、城下町図とともに大名と家臣の家系図まで想像されている。海外の作者もあり、古今東西の空想地図が楽しめた。

• 金監禾重

  読了日：2024/12/25

  複数人の空想地図作品の紹介だけでなく、さまざまな視点で空想地図趣味が語られている。本居宣長も若いころにハマった趣味だが、多くはひそかに楽しまれ、連携も継承もされなかったが、ネットの発達で世に評価されるようになった。ある作者は本人は恥ずかしさも感じていたが、奥さんや娘さんが評価して公開したという微笑ましいエピソードも。個人的には作品自体は妙に受け入れられない（不気味の谷か？）が、それを描くために積み重ねられた考察は非常に面白く、本書でも時折言及される現実世界の例に興味をひかれた。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します