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藤原仲麻呂 古代王権を動かした異能の政治家 中公新書

仁藤敦史

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121026484
ISBN 10 : 4121026489
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

古代王権が安定した奈良時代に現れた異能の権力者・藤原仲麻呂。叔母・光明皇后の寵愛の下、橘奈良麻呂の変などで兄や他氏を粛清し実権を掌握。中国への憧憬から官職名をすべて唐風に改め、藤原氏嫡系に「恵美」姓を賜り准皇族化を推進、自ら恵美押勝と名乗った。養老律令の施行、新羅への外征計画を進める中、怪僧道鏡を慕う孝謙上皇と対立。武装蜂起を試みるが敗死する。皇子らを「親王」と呼ばせ、皇位簒奪をも目論んだ生涯。

目次 : 序章 藤原氏嫡系の「次男」/ 第1章 藤原四兄弟の死―天然痘流行と政治危機/ 第2章 叔母光明皇太后の寵愛―聖武から孝謙天皇へ/ 第3章 恵美家政権の確立へ―淳仁天皇擁立まで/ 第4章 仲麻呂の政策―七年間の大変革/ 第5章 藤原仲麻呂の乱―天平宝字八(七六四)年/ 終章 藤原仲麻呂は歴史に何を残したか

【著者紹介】
仁藤敦史 : 1960(昭和35)年静岡県生まれ。89年早稲田大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。98年博士(文学)。早稲田大学第一文学部助手、国立歴史民俗博物館歴史研究部助手・准教授などを経て、2008年より教授。専攻・日本古代史。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    宮廷クーデターに敗北した逆賊とされてきた藤原仲麻呂について、従来のイメージを一新する人物像を提示する。権力闘争で他氏のみならず実兄すら排除し、有力者に取り入って後ろ盾としつつ人事と実務能力で実権を握り、内外の変化に適応した改革を実行する。野心的だが強力なリーダーシップを揮う有能な政治家であり、現代でも畏怖され頼りにされるだろう。しかし自信家で権力欲が強く先が読める者ほど、往々にして足元が見えず自分と周辺ばかり優遇し他人の恨みを買う。その通弊を免れず惨死した仲麻呂の姿は、政治と人間のあり方の教科書のようだ。

  • trazom

    古代史に対して浅学の私には、藤原仲麻呂というと、藤原恵美家で人事を壟断し、唐風化政策を押し付け、新羅征討計画などの対外強硬主義を採った官僚として、藤原氏陰謀史観を代表する逆臣・謀反人という印象しかなかったが、本書は、その認識を一変させる。藤原家の四代目としての位置づけを明確にし、仲麻呂の政策を是々非々で丁寧に評価する著者の歴史学者としての姿勢は、とても誠実である。「「薬子の乱」が、近年「平城天皇の乱」と評価されるように、「藤原仲麻呂の乱」は「孝謙上皇の乱」と評価するのが妥当」という著者の意見に納得する。

  • Shoji

    藤原仲麻呂の出自から死没までの史実を客観的に叙述した本かと思います。概ね、藤原仲麻呂の為政の内容と仲麻呂を取り巻く政権の解説に紙幅を費やしています。藤原仲麻呂について興味を持つ方、あるいは奈良時代について少しばかり勉強された方向けの内容かと思いました。

  • kk

    8世紀中葉の政界で一世を風靡した傑物、藤原仲麻呂。その仲麻呂が、才覚を著し、権力闘争を勝ち抜き、権勢を極め、そして破滅に至るまでの足取りを簡潔に、しかし丁寧に紹介。草壁系と舎人系の微妙な関係、唐・新羅との緊張関係が本朝内政に投影した影など、興味深い指摘も数多。通時的な記述と政策面の紹介を、いわばマトリクス的に整理しようとする試みもナイス。結果的に重複的な記述が散見されたのが気にはなったが、この時代のことにあまり詳しくないkkにとっては、諸々勉強になる一冊でした。

  • サケ太

    恵美押勝という名前でしか覚えていなかった人物。藤原仲麻呂と繋がらないくらいには前後関係がわかっていなかったが、様々な政策を押し進め、恵美押勝の乱に至る過程までよくわかった。早熟の天才として異例の出世を遂げた男。藤原氏というブランドを確立し、太政大臣まで出生したことが、後の藤原氏の権力獲得の基盤になったのが面白い。

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