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イスラ-ム思想史

井筒俊彦著

User Review :5.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122044791
ISBN 10 : 4122044790
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2005
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

砂漠の遊牧民が創出したイスラーム文化、その原点をなす聖典コーラン。何がコーランの思想を生み出したのか。思弁神学、神秘主義、スコラ哲学と、三大思想潮流に分かれて発展していく初期イスラームの思想の歴史をそれぞれの思想家を通して解明する。イスラーム哲学史に、イスラーム思想に、大きな影響を及ぼしたインド系思想潮流「TAT TVAM ASI(汝はそれなり)」を併録する。

目次 : 第1部 イスラーム神学―Kalam(アラビア沙漠の精神とコーラン/ イスラーム法学諸派の形成とその基本概念 ほか)/ 第2部 イスラーム神秘主義(スーフィズム)―Tasawwuf(スーフィズムの起源/ 初期の修道者たち ほか)/ 第3部 スコラ哲学(Falsafah)―東方イスラーム哲学の発展(ギリシャ哲学の移植/ 最初の哲学者キンディー ほか)/ 第4部 スコラ哲学(Falsafah)―西方イスラーム哲学の発展(「孤独の哲人」イブン・バーッジァ(Avempace)/ イブン・トファイル(Abubacer)の哲学小説 ほか)

【著者紹介】
井筒俊彦 : 大正3(1914)年、東京に生まれる。昭和12(1937)年、慶応義塾大学文学部卒業。昭和43(1968)年まで慶応義塾大学文学部言語文化研究所教授。翌年、カナダ・モントリオールのマックギル大学イスラーム教授に就任、昭和47(1972)年、パリInstitut International de Philosophie会員、その後、イラン王立哲学アカデミー教授を経て、慶応義塾大学名誉教授、日本学士院会員となる。文学博士、専攻は東洋哲学、言語哲学。平成5(1993)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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人文系の学者として世界に通じる数少ない超...

投稿日:2009/12/09 (水)

人文系の学者として世界に通じる数少ない超一流の一人であった巨匠井筒が若干二十代で書いたものを土台に更なる研鑽を積んで書き上げた第一級の書。しかしながらその既述は平易で、にほんのいわゆる”学者”と称される者たちとはまったく異なる。井筒の簡明な一言にどれほどの学識が込められているのか想像もできないほど奥が深い。頭脳流出ということが言われ出して久しいが、井筒もその一人。イラン革命後帰国しにほんの大学教授になったが果たして井筒を継ぐ真の学者は育っているのだろうか。

古楽器奏者 さん | 東京都 | 不明

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Book Meter Reviews

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  • syaori

    イスラム成立~13世紀頃までの思想史。勢力拡大に伴い矛盾に満ちたコーランの教義を理論づける必要が生じたことなどから思想を深めてゆく過程を、神学、神秘主義、哲学(ファルサファ)の3つの流れで追う構成。この3者は、神秘主義が神学用語に深い内面性を賦与したように、対立・混交しながら思想を発展させてきたことが窺われます。またギリシアやインド哲学などイスラム以外の思想伝統も取入れて内省を深め、ファルサファはスコラ学に影響を与えたという流れには、人間は異質な思想・文化と対決し総合しながら歩んできたことを実感しました。

  • zirou1984

    再読。西洋の中世はキリスト神学がアリストテレス哲学と結び付くことで近代へと至る道が作られるのだが、それも事前にイスラームの哲学者たちが一神教とアリストテレスの融合を厳密に考察し続けてきたからこそ可能であった。また西方のギリシャ哲学のみならず、東洋の梵我一如の考えすらアッラーとの関係性と両立させようとする思想は抜群に興味深い。イスラームはその発足から闘争的な面もありながら、同時に寛容で柔軟な精神をも内包しているというのが学問的な根拠を以て記されている。井筒俊彦の著作はどれも難解ながら知の面白さに溢れている。

  • zirou1984

    20か国語を操り東西を跨いだ思想を紡ぎ上げる日本屈指の碩学者、井筒俊彦によるイスラーム思想史解説。冒頭における「コーランはどんな経典にもまして、著しく視覚的であり聴覚的な経典である」との説明からして目から鱗。本書ではイスラムが世界で最先端だった時代、つまり13世紀までの思弁神学・神秘主義思想・そして東西イスラムにおけるスコラ哲学を主として扱い、それがギリシャ哲学を消化しつつも西洋ルネサンス以後の思想を先取りしていたかを明らかにする。イスラムが当時最先端でいられたのは、西洋東洋両者の影響を受けられらが故か。

  • roughfractus02

    カーライルは『コーラン』は感覚的で退屈だという。が、著者はアラビア語で書かれた詩句の感覚美が視聴覚の鋭敏なアラブの砂漠の民に神の具体的イメージを与えたとする。この感覚性は『コーラン』の中で、セム語族的な神の絶対性と神による人間の悪業の付与の是非に関する議論を起こし、原子論的合理主義を鍛える一方、合理性を信仰からの離脱と捉えたガザーリーの神秘的な愛の強調と神学へ回帰を促す。他方合理主義はギリシャ的スコラ哲学を通してアヴィセンナの存在論を生み、インドのヴェーダーンタ哲学を通してパスターミーの我の消去に向かう。

  • 有沢翔治@文芸同人誌配布中

    イスラームの碩学、井筒俊彦による思想史。マホメット以前からイブン・ルシュドまで。アリストテレス哲学をどう受け継ぎ、どう発展させてきたかが語られる。厳しい修行を積み、自らを神と合一することを目指したスーフィズムたち、アルガザーリーなど。http://blog.livedoor.jp/shoji_arisawa/archives/51504578.html

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