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この世の喜びよ

井戸川射子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065296837
ISBN 10 : 4065296838
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan

Content Description

【第168回芥川賞受賞作】
思い出すことは、世界に出会い直すこと。
最初の小説集『ここはとても速い川』が、キノベス!2022年10位、野間文芸新人賞受賞。注目の新鋭がはなつ、待望の第二小説集。

幼い娘たちとよく一緒に過ごしたショッピングセンター。喪服売り場で働く「あなた」は、フードコートの常連の少女と知り合う。言葉にならない感情を呼び覚ましていく表題作「この世の喜びよ」をはじめとした作品集。

ほかに、ハウスメーカーの建売住宅にひとり体験宿泊する主婦を描く「マイホーム」、父子連れのキャンプに叔父と参加した少年が主人公の「キャンプ」を収録。

二人の目にはきっと、あなたの知らない景色が広がっている。あなたは頷いた。こうして分からなかった言葉があっても、聞き返さないようになっていく。(本書より)

【著者紹介】
井戸川射子 : 1987年生まれ。関西学院大学社会学部卒業。2018年、第一詩集『する、されるユートピア』を私家版にて発行。2019年、同詩集にて第24回中原中也賞受賞。2021年、小説集『ここはとても速い川』で第43回野間文芸新人賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    人称の選び方が特異な作品である。ここで「あなた」と呼び掛けているのは誰なのか。それは、この主人公の女性ではないのか。だとすれば、自分を客体として投げ出すところにこの小説が成立していることになる。ここで描かれるのは、表面的にはスーパーの喪服売場という極めて限定的な狭い世界である。主人公の女性も、そこのパートタイマーの店員であり、これという変化がそこに生起するわけでもない。ただし、彼女の見えない側の現在は再三にわたって仄めかされてはいる。そこに過去は存在する。しかし、未来はどうなのだろう。現在が平板に続いて⇒

  • starbro

    第168回芥川龍之介賞受賞作・候補作、第五弾(5/5)漸くコンプリートです。今回も受賞作で締めくくりとなります。第168回は、突出した作品や新しさorオリジナリティに富んだ作品がなく、一定水準を満たした作品を出版社の意向で選んだ感じでした。私が選考委員だったら、「受賞作なし」を主張したと思います。突出した作品がない時は、「受賞作なし」とした方が、芥川賞の権威&価値が高まるはずですが・・・ https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000370361

  • 青乃108号

    「あなたは」という2人称を使っておりながら終始物語はその「あなた」の視点、思考で語られていくので、その辺目新しいというか初体験というか軽い衝撃と大きな戸惑いを持ちつつ読んだ。物語を読んでいるのに、同時に自分自身の過去映像が浮かんで来て、その二重になったイメージがいつまでも続き、これはアカン、これ以上読まされたら心が折れる、やられてしまうという恐ろしさまで覚えた。短編なので何とか読み切れたけど、危ないところだった。これは、もしかしたら物凄い小説なのではないか。少なくとも似たような小説を、俺は知らない。

  • さてさて

    『喪服売り場の店員になって良かったことは、仕事後で通勤でき、そのまま電車にでも乗れることだとあなたは思っている』。『ショッピングセンター』の『喪服売り場』で働く主人公の穂賀。この作品では、そんな穂賀を『あなた』と見る視点でまとめられた物語の姿がありました。”317回!”も登場する『あなた』という言葉に翻弄されるこの作品。そんな『あなた』を”守護霊視点”で読むことでそこに人の温もりが感じられるようになるこの作品。まさかの”二人称”で展開する物語の中に、芥川賞受賞作ならではの面白さを感じた、そんな作品でした。

  • いっち

    主人公は、ショッピングセンター内の喪服売り場で働く。 「あなた」という二人称で書かれる。なぜ二人称で書く必要があるのか。 「あなた」を「わたし」に代えても、支障がないように思えた。「若い頃の自分一人挟めばスムーズに話せるものだろうか」とあるので、二人称の視点は若い頃の主人公なのかもしれない。しかし、二人称である必要性は感じられない。若い主人公と今の主人公で、大きな違いがあるようには見えない。ショッピングセンターで仲良くなった中学3年生の女子を、娘のように扱う。その娘に何か伝えられる喜びが、この世の喜びか。

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