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生皮 あるセクシャルハラスメントの光景

井上荒野

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784022518163
ISBN 10 : 4022518162
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan

Content Description

動物病院の看護師で、物を書くことが好きな九重咲歩は、小説講座の人気講師・月島光一から才能の萌芽を認められ、教室内で特別扱いされていた。しかし月島による咲歩への執着はエスカレートし、肉体関係を迫るほどにまで歪んでいく―。7年後、何人もの受講生を作家デビューさせた月島は教え子たちから慕われ、マスコミからも注目を浴びはじめるなか、咲歩はみずからの性被害を告発する決意をする。なぜセクハラは起きたのか?家族たちは事件をいかに受け止めるのか?被害者の傷は癒えることがあるのか?被害者と加害者、その家族、受講者たち、さらにはメディア、SNSを巻き込みながら、性被害をめぐる当事者の生々しい感情と、ハラスメントが醸成される空気を重層的に活写する、著者の新たな代表作。

【著者紹介】
井上荒野 : 1961年生まれ。89年「わたしのヌレエフ」でフェミナ賞、2004年『潤一』で島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で直木賞、11年『そこへ行くな』で中央公論文芸賞、16年『赤へ』で柴田錬三郎賞、18年『その話は今日はやめておきましょう』で織田作之助賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ミカママ

    タイトルどおりなんともヒリつかされる読書だった。「セクハラ」・・・近年使い古されすぎて、なんだか意味が軽んじられているようにも思う(「いじめ」しかり)。登場人物たちが経験しているのはセクハラというよりも性被害。その後何年経とうが、優しい男性と所帯を持とうが、皮を剝がされた体と心は未だに血を流している(帯より借用)。権力や地位を利用して女性の心身を傷つけた男の身勝手さに反吐が出る。荒野さんの作品からしばらく離れていたこともあったが、これは「らしさ」が出た読み応えだった。

  • starbro

    井上 荒野は、新作中心に読んでいる作家です。最近のセクハラを生皮を剝ぐようなヒリヒリとした感覚で描いた作品かと思いきや、昭和にありがちだった性暴力の物語でした。タイトルと内容にギャップがある気がします。 https://book.asahi.com/article/14609913

  • のぶ

    セクハラが起こる過程と原因が生々しく描かれていて、興味深かった。セクハラを行ったのは小説講座の人気講師、月島光一。過去に教え子に芥川賞作家を誕生させ評判は高かった。一方、動物病院の看護師の九重咲歩は、文章を書くことが好きで月島から才能を認められていた。しかし月島による咲歩への執着はエスカレートし、肉体関係を迫るほどにまで進んでいく。他にも月島から関係を迫られた女性はいて、人間的に問題を感じた。咲歩は性被害を告発する事になるが、咲歩の言動にも疑問を持った。これが現在のセクハラ問題の氷山の一角なのだろうが。

  • うっちー

    セクハラにも様々な状況、気持ちがあるのだと再認識しました

  • TakaUP48

    小説講座の人気講師が性暴力で告発された。お気に入りの受講生に目をつけると名前で呼び、2次会では隣の席が指定席。個人的な呼出と、小説を書く心構えを説く。「小説を教えることには限界がある。でも俺たちはその限界を突破したいよね」「お前がもっといい小説を書くために、俺はお前と…」言葉巧みに心の襞に刺さりこみ、宗教的な儀式のようにベットに雪崩れ込む。たとえ体で抵抗しなくても、心が望まぬ行為はレイプだ。彼は私の生皮を剥いだ。被害に遭った彼女らの心の動きや、周りの人々の動きが詳細に描かれている。タイトルが衝撃的過ぎる!

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