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そこにはいない男たちについて ハルキ文庫

井上荒野

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784758445016
ISBN 10 : 475844501X
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2022
Japan

Content Description

愛する夫を喪った女と、夫が大嫌いになった女―夫を突然亡くし、しばらく料理教室をお休みにしていた実日子(三十八歳)。ようやく再開した教室に、女友達に紹介されて初めて参加したまり(三十八歳)は、夫とうまくいっていないのだと皆の前でいうが―料理教室を舞台にしたふたりの「妻」の孤独と冒険の物語。各メディアで絶賛され続々重版した長編小説、待望の文庫化。

【著者紹介】
井上荒野 : 東京都生まれ。成蹊大学文学部卒業。1989年、「わたしのヌレエフ」で第1回フェミナ賞、2004年『潤一』で第11回島清恋愛文学賞、08年『切羽へ』で第139回直木賞、11年『そこへ行くな』で第6回中央公論文芸賞、16年『赤へ』で第29回柴田錬三郎賞、18年『その話は今日はやめておきましょう』で第35回織田作之助賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • しんごろ

    愛する夫を喪った実日子、夫が大嫌いになったまり、料理教室を舞台に二人の視点から綴られる。実日子とまりの心理描写が巧みでお見事で、作者は喪った経験も冷え切った夫婦生活も経験してるのと思ってしまうほどリアルさを感じた。自分としては、まりの気持ちはまったくわからないしついていけないから、光一の判断は間違いないと思う。亡くなった俊生、いつも実日子の心にいてくれてる。俊生がこの物語で一番救われてるのかもしれないのかな。これぞ男と女のラブゲーム。個人的には何度も再読したくなるような名作だと思う。

  • coco夏ko10角

    愛する夫を亡くした実日子、夫のことが大嫌いになったまり、二人の女性の物語。今まで読んだ井上荒野さんの作品の中でもこれすごく好きだな。実日子の心と空間の喪失、描写がうまい。そして大嫌いな夫と暮らしているまり、前半で「そこまで嫌いなら離婚すればいいのに」と思ってしまっただけに後半の展開や心情の読み応えすごい。原田ひ香さんの解説もよかった。

  • bluemint

    ドキドキした。クリスマスイブに出会いサイトで知り合い付き合っている男を家に呼び、手を尽くした料理でもてなし、泊める。いつ亭主が帰ってくるか分からない。もう駐車場にいるかもしれない。いくら破滅覚悟の夫婦関係でもそれは行き過ぎだろうと鼓動が速くなった。結局その晩の顛末は語られず、こちらは宙ぶらりんの気持ちでヤキモキさせられる。ここが著者のうまいところだ。主人公2人の夫に対する感情の其々の持ち方が丁寧に描かれて良かった。夫がいるのに孤独、夫が亡くなって悲しいのに義理の両親との交流を含めて豊か。

  • kaoriction

    モヤモヤのざわざわ。まり も実日子も苦手なタイプだ。なんとなくズルさを感じる。そこにはいない男 を想い語りながらも、いま近くにいる男への態度や考え方が幼くてあざとくて。私が光一だったら、確かに自分から離婚を切り出すし、まりみたいな人とは一緒に暮らせない。女たち側のあれこれしか描かれていないので何とも言えない部分もある。ぜひ、あちら側 の そこにいた男たち の話・意見も読んでみたい。子どもがいるいない、も確かに大きく関係すると思うよ。彼女たちよりかなり歳上のおばちゃんの意見でした。原田ひ香さんの解説が秀逸。

  • 野のこ

    まりと実日子先生とどちらがかわいそうだろう?そこにいるのにいない男なのかそこにいないのにいる男なのか。ふたりの心理描写が共感するようなしないようなだけど、なぜかまり目線だった笑。料理やお酒の描写が多くて細かいのも好き。ワイン飲みながら楽しく読みました。読みやすい、好き。再読。

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