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穀物の科学 ブルーバックス

井上直人

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062578691
ISBN 10 : 4062578697
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2014
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

私たちは、毎日ご飯やパンなどを食べている。ご飯はコメで、パンはムギであり、いずれも穀物である。穀物はヒトにとって最も身近で大切な食べ物だが、私たちはどれほどそれを理解しているのだろう。
たとえば、コシヒカリは有名なブランド米だが、コメにブランドがあるのはなぜか。そして、ブランド米にはどんな違いがあるのか。そもそも、おいしいコメとは何か。
あるいは、どうしてイネは水田で育てたり、田植えをするのか。農家が真夏に水田の水を抜いたり、精白したりするのはなぜか。ムギはなぜパンにするのか。雑穀とは何か。アジアではイネが、アメリカではトウモロコシが、ヨーロッパではコムギが多く栽培されるのはなぜだろうか。信州ソバが有名な理由はなんだろうか。
穀物に対するこうした疑問を、科学的に説明するのは簡単ではない。ヒトは長い期間をかけて好みに合わせて穀物を栽培してきたため、その進化には生物学的な要因だけでなく、労働の効率、美意識、食感、嗜好のような人間的な要因が強く働いている。したがって、穀物について説明するときは、複合的な視点が必要になる。
そこで本書は、「三大穀物」とされるイネ、ムギ、トウモロコシについて、その進化や栽培化の過程と、食料としての特性などに重点を置き、自然科学に人文科学的な視点も交え、専門分野を横断しての解説を試みた。また、近年、コメにアワやヒエを混ぜて食べる人も増えているので、雑穀についても触れている。農学だけでなく、温室効果ガスなど環境科学の研究成果も取り入れ、穀物を幅広く理解できるようにした。
ブランド米については、系統図を用いて血縁関係がわかるようにした。ブランド米の味には、品種だけでなく、人や土壌、風、水などの風土が関係していることも農家の具体的な品質データーを用いて解説している。
また、本書では、世界のソバの加工・利用方法を系統的に示している。本書はコメを中心に記述してあるが、ソバも三大穀物にひけをとらない加工の多様さがあり、日本の「蕎麦切り」はたいへん手の込んだ食品であることがおわかりいただけるだろう。
誰もが毎日食べている、おいしい穀物を、わかりやすく解説する。

【著者紹介】
井上直人 : 信州大学学術研究院教授(農学系)、信州大学総合工学系研究科教授。1953年東京都生まれ。農学博士(京都大学)。信州大学農学部卒業、帯広畜産大学大学院修了、長野県畜産試験場・農業試験場の研究員、京都大学農学部助教授を経て2002年より信州大学教授。研究分野は作物学、植物栄養学、民族植物学。日本草地学会賞、日本作物学会賞(論文賞など)を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • WATA

    コメ・ムギ・ソバといった穀物についての知見をまとめた本。内容はやや専門的だが、身近な植物についての内容なので読みやすい。それぞれの穀物の特徴や、調理法と食感の関係、品種改良の歴史など、テーマが広く各章の話題が独立しているので、気になる部分だけを拾い読みした。特にコメの品種改良に関する部分が面白い。現在のお米のルーツをたどっていくと、明治時代に東日本で栽培されていた「亀の尾」と西日本の「旭」に集約されることや、「つや姫」は遠い祖先にインディカ亜種を持つために猛暑に強いことなどは始めて知った。

  • kaizen@名古屋de朝活読書会

    #感想歌 米小麦トウモロコシの主食から蕎麦あわきびの五穀豊穣 粉と麺硬さと水分加工法料理豊富な世界回ろう

  • calaf

    穀物の話いろいろ。本当にいろいろで、ブルーバックスなのに風水の話まで出てきたのには本当にビックリでした。科学的に考えると、いろいろあるなぁ...と思うと同時に、人間の食糧になるので人間の都合も相当部分含まれているんだなぁという感じ。

  • 🍭

    2014年発行、穀物の科学本。読みやすい章と専門性が高すぎてあんまり好奇心を刺激されない章が大きくわかれた。うるち(粳)性ともち(餅)性のような日常で目にするような言葉でさえここまでマニアックな解説がつく話だと思うと専門領域に踏み込むことは大切だと思う。遺伝子組み換え作物については、その土地には存在しなかった遺伝子の拡散や生態系への影響が予想できないという点でネガティブなイメージがある。ヒトが自然との共生を意識しないと環境保全は難しくなっていくと思う(この感想しかない)雑穀は美味しいのですきです。

  • Koki Miyachi

    穀物に関するいろいろを、データに基づく科学的アプローチで深いところまで解説。自分が興味を持っている話題は、本当に面白く読むことができた。さほど興味がない話題は、専門的すぎて正直シンドかった。興味が持てるテーマを拾い読み。これがこの本の正しい読み方かも。

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