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増補アジア主義を問いなおす ちくま学芸文庫

井上寿一

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480097583
ISBN 10 : 4480097589
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

緊張が続く日本と東アジアに、どんな共存のあり方を描くことができるのか。その手掛かりとなるのがアジア主義だ。本書では、満州事変から日中戦争への流れを、欧米協調とアジア主義との相克という外交史的観点から辿りなおす。そこで明らかになるのは、中国との緊張を高めつつ満州国を建設し東亜協同体構想を掲げた当時の日本が、実は対米関係を最重要視していたという意外な事実だ。日本と東アジア、そしてアメリカ―今日まで連なるこの錯綜した関係を解きほぐすために避けては通れないアジア主義の実像に迫る。文庫化に際して、その思想と政策との捩れを問う論考を書き下ろした増補決定版。

目次 : 第1章 今なぜアジア主義を問いなおすのか/ 第2章 「アジア主義」外交はどのように形成されたのか/ 第3章 「東亜モンロー主義」外交とは何だったのか/ 第4章 侵略しながら連帯する/ 第5章 なぜ「東亜新秩序」は実現しなかったのか/ 第6章 歴史の教訓/ 補論 アジア主義―思想と政策の間

【著者紹介】
井上寿一 : 1956年東京都生まれ。一橋大学社会学部卒業。同大学大学院法学研究科博士課程、学習院大学法学部教授などを経て、現在、学習院大学学長。法学博士。専攻は日本政治外交史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Hiroshi

    アジア主義というと頭山満や玄洋社・黒竜会が出てくる。著者が引用する竹内好の『日本とアジア』には、欧米によって引き起こされた日本の国家的な独立の危機の明治時代に生まれたアジア諸国との連帯論を竹内はアジア主義という。頭山満はこの頃だ。日露戦争後に日本が韓国併合をすると、アジア主義は消えていく。ところが1930年代にはいるとアジア主義が復活する。ただし日本を盟主としての但し書が入る。竹内はこれをアジア主義とは認めない。新しいアジア主義はアジアとの連帯を求めながらアジアを侵略するとういう二律背反的なものであった。

  • 田九七

    1930年代の日本外交におけるアジア主義を論じ、わかりやすく充実した一冊。日本外交においてしばしば出てくる期待と効果のズレが興味深い。謎の天羽声明や、日中戦争の早期収拾への努力を台無しにした「国民政府を相手とせず」とかに驚かされた。30年代、アジア新秩序にアメリカの力をなしにはいけないという出発点からたどり着いた日米親善の外交路線は、現代日本の参考にもなる。東アジアの国際関係は現在氷点下にありながらも、深みのある日中韓関係史を鑑みると、期待できる未来が必ずしもないとは言えない。

  • ドウ

    古本屋でタイトルに魅かれ購入。小泉政権期の東北アジアの政治的緊張に対し、1930年代の日本外交史を紐解くことで、緊張緩和をそれとなく勧める本。「全ての可能性を排除しない」ことによって、逆説的に不可逆的に全ての外交的解決が不可能になっていく当時の日本政府が、現代の日本的組織に通じる。関東軍の「暴走」は『タタール人の砂漠』を踏まえると功名心の成せる業かもと少し同情。日本以外のアクターの言動をブラックボックス的に捉えていること、補遺が竹内好の論考の再要約に過ぎないこと、政治−経済関係の論旨が不可解なのが難点。

  • ara

    アジア主義の思想に重点をあてているというよりは、 1930年代に日本政府がアジア主義の思想のもと、主に中国にどのように接してきたかを詳細に記している本。 アメリカの力を借りなければ、満州国すら自治できない日本にはすこしスケールが大きすぎる構想だったようだ。

  • Ahmad Hideaki Todoroki

    それなりに面白いし勉強になったのだが、この本を借りたのと同じ地元の小さな小さな図書館にて、南京虐殺写真集を手に取ったあとでは、この手の立派な主張の類は空理空論としか思えない。どれだけ立派なお題目も、非人道行為の前ではなんの説得力も感じられないのだった。残念ながら、所詮インテリのお遊びなのだ。

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