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音楽を展示する パリ万博1855-1900

井上さつき

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784588364129
ISBN 10 : 458836412X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2009
Japan

Content Description

音楽「展示」という概念の形成と展開を5回にわたるパリ万博に追う。ベルリオーズ、ビゼー、サン=サーンスらの音楽家たちに加え、政治家、役人、オルガン製造業者などが織りなす、19世紀フランス音楽界のドラマ。

【著者紹介】
井上さつき : 1978年東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。同大学院修士課程を経て博士課程満期退学。論文博士(音楽学)。修士課程在学中にフランス留学。パリ・ソルボンヌ大学修士課程修了。現在、愛知県立芸術大学音楽学部教授。専門は近代フランス音楽史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 寧々子

    エッフェル塔が展示された1889年の万博に関心があった。19世紀半ばから20世紀初頭にかけて開催されたパリ万博。その中でもとくに、音楽面に関して触れているのが本書だ。産業中心だったイギリス万博との差別化をはかるために、パリ万博では芸術の展示に力が注がれ、『時間芸術』(この言葉の響きが妙に気に入ってしまった)である音楽までもをエクスポゼするに至った。日本人である私は万博と聞けば、大阪万博のモニュメントを思い浮かべる。それなのにパリでは音楽! お国柄の違いを思いながら、面白く読んだ。

  • W

    もともとフランスでは、万国博覧会の前身にあたる「内国産業博覧会」が開催されていた。だが、1849年の内国産業博を視察したアルバート公の側近が刺激を受けたことから、1851年にイギリスで世界初の万国博覧会が開かれ、大盛況。自国のお株を奪われたフランスは大きな衝撃を受け、巻き返しを図るべく1855年に自国での開催を決行する。これまで産業中心だった博覧会に芸術を取り入れるという初の試みによって、イギリスとの差別化を図ると同時に、芸術を自国の誇る武器として打ち出そうとした、という仏万国博覧会の音楽にまつわる研究。

  • メルセ・ひすい

    ベルリオーズなどの音楽家、政治家や役人、オルガン製造業者らが織り成した19世紀フランス音楽界のドラマとは。音楽“展示”という概念の形成と展開を、パリ国立古文書館の原資料などを元に、5回にわたるパリ万博に追う。

  • hika

    徹底した一次史料の分析によって、パリ万博における「音楽展示」を明らかにした良著。展示の選定や実務についての博覧会行政側と音楽家集団側(アカデミー)の対立や妥協。博覧会の政治的位置づけ。イギリスの産業博覧会の思想とは異なる、サン=シモン主義に基づく展示思想。等々文化の分析を通じて政治社会のありように迫る文化史研究のおもしろさが表れている。

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