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あまりにロシア的な。

亀山郁夫

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784167801816
ISBN 10 : 4167801817
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2013
Japan

Content Description

国家崩壊後のロシアの熱狂とノスタルジー!


国家崩壊から3年後のロシアで“ペテルブルク病”にかかり、酔いどれたちの坩堝で芸術・文学と向き合う日々。異色の留学記がここに!


出版社からの内容紹介
新訳「カラマーゾフの兄弟」が大ベストセラーとなった亀山郁夫さんの幻の名著がこちら。『あまりにロシア的な。』は、国家崩壊後から3年、1994年から1年にわたるロシア滞在をつづった異色の体験記です。死がいたるところに遍在するただ中、スパイ容疑をかけられた過去の悪夢が去来し、静かに狂気に導くかのような“ペテルブルグ病”にかかり、酔いどれたちの坩堝で芸術・文学と対峙した日々が、圧倒的な粘度で描き出されます。自我の在り方が根底から書き換えられるような圧巻の読書体験をぜひどうぞ!




【著者紹介】
亀山郁夫 : 1949年栃木県生まれ。東京外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京外国語大学長。『カラマーゾフの兄弟』(光文社古典新訳文庫)の新訳がミリオンセラーとなる。『破滅のマヤコフスキー』(筑摩書房)で木村彰一賞、『磔のロシア―スターリンと芸術家たち』(岩波現代文庫)で大佛次郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    読み始めた途端に自分が20世紀のロシア(ソ連)の文化に関して如何に無知であり、また関心を向けてこなかったかを痛感することになった。作家ではせいぜいパステルナークとソルジェーニツィンくらい。筆者の主たる研究対象のマヤコフスキーは名前しか知らない。美術方面は壊滅。音楽もショスタコーヴィチとハチャトゥリアン、グラズノフ、しかもショスタコーヴィチ以外は聴いたことはあっても明確なイメージまでは結ばない。19世紀ロシアの方がはるかにましである。もちろん、モスクワやペテルブルクの状況なども雲霞の彼方というありさま。

  • 中玉ケビン砂糖

    、じっくりと時間をかけて読んだ、USSR、GPU、KGB、CKなど、ロシアには星の数ほどの略号が存在する、「内面の脆弱さを覆い隠す都合のよい盾」「それぞれの略号に象眼細工のようにはめこまれた『ゲー』のおどろおどろしい響き、それはまさに『国家』のイニシャル、国家の義眼に他ならない」という箇所は成程と思った、ロシアとはまだ言えないソ連崩壊直後のこの凍えるような国は、記号でできたもろい積み木の塔でもあった……、独裁国家が倒れたからといってもちろんすぐに雪解けの春が訪れるわけでもない

  • tsubomi

    2017.03.30-05.31:著者がロシアに住んでいるときに見聞きしたことや感じたことをランダムに配置した本。ロシア文学を研究している者として作家を深く掘り下げて追究していく姿勢と考えすぎなくらいの思索の跡がうかがえるエピソードが多く、ときには困惑したり・・・。印象的だったのはヴォルガのデルタ地帯であるアストラハンに旅したときのこと。空気や水の音、静けさまでが実感できそうなほどの風景描写に身を委ねて自分もそこにいるかのような錯覚に陥るときの快感があります。

  • おとん707

    タイトルから想像するようなロシア人気質についての随想ではなく筆者が1994‐5年に留学した際の研究に纏わる話が多いので予備知識が乏しい私には難しかった。あえて言えば当時のチェチェン紛争について筆者は「ロシア軍はチェチェン領内に入り…軍事行動を開始したのだ。(チェチェン側は)ロシアとの交渉はロシア軍が領内から撤退した後でのみ応じると宣言した。この宣言を受けて、ロシア軍の猛攻が再開され…」と追想している。いつも力による解決しかないのがあまりにロシア的ということなのか。ロシア人みんながそうではないと思いたい。

  • ぱなま(さなぎ)

    大統領候補が暗殺され、地下鉄の入口に貧者が野鳩の群れのように屯する不安定な政情をよそに、文学全集の枝葉末節について討論する文学関係者たちのコントラスト。コラージュという形式を取ることにより、多面的な当時ロシアの表情が抽象絵画のように浮かび上がってくる。レーニン廟の内部についてマレーヴィチの絵画との共通項を指摘した箇所はエキサイティングだった。著者がロシア語に堪能なのは当然といえば当然なのだが、ロシア人たちのウォッカの飲みっぷりに着いて行くばかりか冗談合戦にまで負けじと加わっていくのだから凄い。

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