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皆のあらばしり 新潮文庫

乗代雄介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101062617
ISBN 10 : 4101062617
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan

Content Description

幻の書の新発見か、それとも偽書か。高校生のぼくは、うさんくさい男と〈謎の書〉の存在を追う。その名は、『皆のあらばしり』。探求は真と嘘の入れ子を孕み、歴史をさかのぼり、コンゲームの様相を呈しつつ、ついに世界の深奥にある〈ほんまもん〉に辿りつくが‥‥。大逆転の結末に甘美な香気さえ漂う表題作のほか、「ニセ偽書事始」「『皆のあらばしり』の成立について」を収録した傑作。

【著者紹介】
乗代雄介 : 1986(昭和61)年、北海道生れ。法政大学社会学部メディア社会学科卒業。「十七八より」で群像新人文学賞受賞。『本物の読書家』で野間文芸新人賞受賞。『旅する練習』で三島由紀夫賞、坪田譲治文学賞を受賞。『それは誠』で織田作之助賞、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • no5uke

    相変わらずすごい作家だ。 リーダビリティが高いだけで、面白さがない小説が現代文学には多いが、乗代作品はしっかり読みやすさの上にしかと快楽の質量が乗っかっている。巻末のエッセイも見事で、小説家冥利に尽きる経験をさらっとしているので驚きだ。

  • イータン

    面白かった!関西弁の男は博識だし高級時計持ちだし『本物の読書家』の関西弁おじに見えなくもなかった。乗代氏自身が自分の足や資料を通して小津久足と栃木市を丁寧に描いた作品だなあと感じた。 作品中、男が琴平神社の石段の窪みを見て自分の足を嵌める姿や、「伝わらんでも人の思いが残る法もあると知らせとるがな、その思いを後世の人間が汲んでやれば当人たちも報われるっちゅうもんやないか(略)。」と言った場面が作者の仕事ぶりを表しているようで、こういうところに感動してしまう自分がいた。

  • みのくま

    栃木市皆川で小津久足の幻の紀行文『皆のあらばしり』を探す謎の男と高校生の浮田。だが調査が進むにつれ『皆のあらばしり』が偽書である可能性が浮上する。このニッチすぎる舞台設定は、巻末の作者によるエッセイがなければ本当の事だと信じたまま読了していただろう。作者はまさに偽書が偽書である事に気がつかれない事こそ偽書作者の本懐だと言う。ではなぜ巻末にネタバラシをするようなエッセイを挿入したのか。それはおそらく、フィクションが真実らしさを纏える事や、現実の地続きとして機能する事の感動を、読者に伝えたかった為ではないか。

  • かずぺん

    会話が楽しいですね。

  • YUINEKO

    読みやすいとは言い難いが、ずっしり中身のある作品を読み切った達成感がある。歴史資料の研究という縁遠い世界を垣間見ることもできた。巻末の、著者自身による解説(メイキング)が非常に興味深い。「嘘の濃度」という視点は、私自身が最近のエンタメ小説の奇抜な設定に白けてしまう気持ちを鋭く言語化してくれていて膝を打った。

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