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最高の任務 講談社文庫

乗代雄介

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065302453
ISBN 10 : 4065302455
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2022
Japan

Content Description

大学の卒業式を目前にした私は小学生のころの日記帳を掘り返す。「お願いだからくれぐれも、私に読まれないようにね」そう言って叔母が―今は亡き彼女が―与えてくれたもの。かつて己が綴った言葉のなかに、彼女の姿が浮かび上がり、今を生きる私に衝撃をもたらす。表題作と「生き方の問題」を収録。

【著者紹介】
乗代雄介 : 1986年、北海道江別市生まれ。2015年『十七八より』で第58回群像新人文学賞を受賞し、デビュー。2018年『本物の読書家』で第40回野間文芸新人賞受賞。2021年『旅する練習』で第34回三島由紀夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • おっしー

    「生き方の問題」と「最高の任務」の2作が収録。乗代雄介は文庫化されたら読んでいて、その度に文学らしさを感じる。今回も例に漏れず、文章を読むことや書くことにフォーカスを当てた作品。特に「生き方の問題」は手紙の形式を取った作品で、あの日起きた出来事をつらつらと綴るっているけどその隙間には書き手自身の現在の視点が語られたり、手紙を読む未来の貴方への言葉が散りばめられている。物語は直線的で一文字先は未来で、そこに到達すれば読む前の過去には戻れない。そういう文学の持つ時間に関するあれこれを考えながら読んだ。

  • いっち

    最高の任務とは何か。主人公は、「叔母がその目に浮かべるようなすてきな姪っ子でありたいと願ってきたのではなかったか。(中略)あの日の姪っ子も、今この姪っ子も、まだまだ任務を果たしたとは言えない」と書いている。「叔母がその目に浮かべるようなすてきな姪っ子」であることが、最高の任務なのか。しっくりこなかった。「任務」とあっても「最高の任務」とは書いてない。別の箇所に「最高の任務が、あらゆる任務および活動の後ろに隠され続けているように思われるからだ」とある。隠され続けているように思われるのは、叔母の行動の方だ。

  • 乗代は『十七八より』『本物の読書家』以来の順番を違えての三冊目になる。阿佐美家サーガの旅行パートは、景物のなかに零れ落ちたはずの”なんでもない時間”が甦るような絶妙の筆致だ。乗代の筆致は、少し書いては逡巡するサリンジャーの方法に非常に影響されている。「大工よ、その梁を高く掲げよ」を併読しているので、その語りのやり口がなんと似通っていることかと思う。『掠れうる星たちの実験』でも言及されていたが、乗代の読書歴、そこから織りなされるテクストをもっと知っていきたいと思わされた。

  • だのん

    主人公の日記と一緒に進む物語。時々昔の日記に戻り、今と比較したり考えたりしながら進んでいく中で、ゆっくりとぼんやりとですが叔母との関係性が見えてきました。車窓からの景色や、道端の草花の描写がきめ細やかで、風景が目に浮かぶようです。家族が見守る姿がとても自然でよかったです。叔母のことがもっと知りたくなりました。

  • 桜もち 太郎

    まずは「生き方の問題」従姉妹・貴子への思いを綴った長い手紙。『僕はどこで道を間違えたのだろう?』ある日貴子から呼ばれ、山登りに誘われる僕。誰もいない頂きで貪り合う二人。しかし挿入直前に誰かに見られているような感じが。それは神なのか、他の誰かなのか。読んでいて罪悪感がよぎるが、ありえない話でもないなと思う。これは自分好みの作品。そして表題作。死んでしまった愛すべき叔母を引きずる姪。姪の家族が叔母から卒業させるための最高の任務が熱かった。長い日記や引用文など少しとっ散らかっていたかな。好みが分かれる作品かな。

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