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ISBN 10 : 481580754X
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それが存在しない世界に―科学的な実証知が勃興し、旧来の人文教養が失墜した世紀末の憂鬱の只中で、それでも「文学に賭ける」決断を下したプルースト。作家が格闘した、『失われた時を求めて』誕生以前の文の地形を明らかにすることを通し、その出現の意味を探る労作。
目次 : 世紀末の憂鬱―二つの“文学的病”/ 第1部 文学の位置―時代といかに闘うか(文学教養―“読むこと”と“書くこと”の不純な関係/ “教養小説”を読む方法/ マルセル・プルーストの修業時代)/ 第2部 小説の可能性(時代と闘う二つの美学―前衛的であったということ/ “鏡映”の美学を超えて―レアリスムとの闘い/ 反=日記あるいは「文学生活」批判/ 歴史は物語ではない―小説的真実のゆくえ)/ 第3部 近代批評と小説―『サント=ブーヴに逆らって』の射程(サント=ブーヴの喪が明けて/ テーヌの未完の小説―“教養小説”が不可能になるところ/ サント=ブーヴをパロディ化する/ 近代「生成批評」のその後)/ 第4部 プルースト小説の地平(『ジャン・サントゥイユ』から『失われた時を求めて』へ―“書けない主人公”の誕生/ 「天職の物語」の終わりかた/ 『見出された時』を読む―作家はいつ書き終えるか)
【著者紹介】
中野知律 : 1959年愛媛県松山市に生まれる。1981年東京大学教養学部教養学科卒業。1984年東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学修士課程修了。1989年パリ第4大学にて博士号取得。1991年東京大学大学院人文科学研究科仏語仏文学博士課程満期退学。一橋大学社会学部専任講師、助教授を経て、一橋大学大学院社会学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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