Product Details
ISBN 10 : 4794811926
Content Description
本書は、ナチス・ドイツの強制断種政策と「安楽死」の歴史を、最新の研究成果に基づいて明らかにしようとする試みである。ナチ体制下のドイツでは、ユダヤ人のみならず、病気や障害のある人々、社会規範に逸脱すると見なされた人々が、優生学を背景とする政策によって「価値のない」「社会の負担となる」存在として強制的に断種(不妊化)され、戦時下においては秘密裡に殺害されていた。これらの措置の犠牲になった人々の数は、強制断種が四〇万人、「安楽死」が三〇万人とされている。本書は、この事象の計画や実行のプロセス、思想的背景、加害者となった医療や福祉関係者、および犠牲者とその家族の姿などを描くとともに、この問題が長きにわたる忘却と隠蔽の時代を経て、近年ようやく「ナチの不正」として謝罪と補償、そして追悼の対象となるまでの道のりを明らかにする。
目次 : 第1章 優生学とナチス・ドイツの強制断種手術(優生学とは/ ヴァイマル共和国時代の優生学 ほか)/ 第2章 「安楽死」という名の大量虐殺―その始まりと展開(「良い死」と大量殺害―安楽死という言葉をめぐって/ さまざまな殺害―ナチスによる「安楽死」の概観 ほか)/ 第3章 「安楽死」の犠牲者―バイエルン地方のある精神病院の事例から(エグルフィング・ハール精神病院/ 「安楽死」の展開と犠牲者の経験 ほか)/ 第4章 強制断種・「安楽死」の過去の戦後ドイツ(関与した者たちはどう裁かれたのか/ 医学界はナチの過去とどのように向き合ってきたのか ほか)
【著者紹介】
中野智世 : 成城大学文芸学部教授。専門はドイツ近現代史・社会史
木畑和子 : 成城大学名誉教授。専門はドイツ現代史
梅原秀元 : 立教大学文学部特任准教授。専門は近現代のドイツをフィールドに医学史・科学と社会の関係の歴史・社会史
紀愛子 : 早稲田大学等非常勤講師。専門はドイツ現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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かさお
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