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裸はいつから恥ずかしくなったか 日本人の羞恥心 ちくま文庫

中野明

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784480433626
ISBN 10 : 4480433627
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

老若男女が入り乱れる混浴の公衆浴場、庭先で行水をする女性たち、裸同然の格好で仕事をする人々…。幕末、日本を訪れた外国人たちは互いの裸に無関心な日本人に驚き、その様子をこぞって記録した。しかし急激な近代化が日本人の裸観に影響を与え、いつしか裸を不道徳なものと見なすようになる。同時代資料を丹念に読み解き、日本人の性的関心と羞恥心の変遷をたどる「裸」の日本文化史。

目次 : 序章 下田公衆浴場/ 第1章 この国に羞恥心はないのか!?―ペリー一行らが見た混浴ニッポン/ 第2章 混浴は日本全国で行われていたのか―幕末維新の入浴事情/ 第3章 日本人にとってのはだか―現代とは異なるはだかへの接し方/ 第4章 弾圧されるはだか―西洋文明の複眼による裸体観の変容/ 第5章 複雑化する裸体観―隠すべき裸体と隠さなくてもよい裸体/ 第6章 五重に隠されるはだか―隠され続ける先にあるもの/ 終章 裸体隠蔽の限界

【著者紹介】
中野明 : 1962年、滋賀県生まれ。ノンフィクション作家。同志社大学非常勤講師。85年、立命館大学文学部哲学科卒業。情報通信、経済経営、歴史民俗の3分野で執筆を続ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • リキヨシオ

    150年前の公衆浴場を描いた混浴図…当時の日本人は、現代人にはとうてい考えられない「裸体観」を持っていた。混浴なのは当たり前で、男女共に「裸体は顏の延長」と考えられ、日常的だった裸体に羞恥心を感じる事自体が困難だった。そんな開国されたばかり日本人の裸体観にほとんどの外国人は驚愕した。裸体を徹底的に嫌悪した外国人、自身の裸体が鑑賞される事を認識した日本人、明治政府による徹底的な裸体の弾圧…裸体を隠す事によって裸体の「性的趣味の非対称性」という現象が顕著になり現代の裸体観へと繋がったという。

  • ぶんぶん

    【図書館】暑い折、歩いて図書館へ。で、借りたのがコレ! たまには気楽に「裸体」の世界へ。江戸時代は混浴が当然だった。しかして、西洋文化の訪れと共に「羞恥心」の定義も変わって来た。「下田の公衆浴場」から「裸体観」を現代まで考察する裸の文化史。「湯屋」の歴史から戦後GHQまで、いろいろな現象を考察。何故、往来で立小便をしていた日本人が、人前で行水をしていたのに、人前で自然に授乳していたのに、なぜ見なくなったのか。歴史から読み解く日本人の性的関心と羞恥心の変遷。為になるか、ならないか読んで見なくては判らない。

  • ハイちん

    ほんの150年前の日本では裸は日常の風景だったらしい。当時、裸体は「顔」の延長線上にあった。性的な好奇心が裸体に注がれることはほとんどなかったし、羞恥心という概念もなかった。人前で裸になることに対して寛容な文化が、現在のように変わってしまったのは明治維新に伴い価値観が西洋化したことが大きい。西洋文化は裸体をセックスと結びつけ、下着によって隠された部分は性的好奇心の対象となった。性的好奇心の増大は羞恥心を生み育てた。裸体を晒すことは権力者により悪と見なされ処罰の対象となった。価値観というものは実には儚い。

  • ゆきこ

    幕末に描かれた下田公衆浴場の絵を出発点に、日本の混浴習慣と裸体観を考察していく一冊です。とてもおもしろかったです。初めて知ることも多く、とても楽しく読めました。ほんの150年ほどで人々の感覚や常識がこうも変化するのかと驚きました。外国人の視線を気にしすぎる日本人、という点だけは今も昔も変わらないなぁと思いました。

  • はふ

    「常識」はいかにして作られるのかー。かつて、私たちの祖先(約150年前の日本人)は、銭湯は混浴で当たり前であるというような、男女問わず裸である事が、至って普通という世界に生きてきた。現代の私たちには、到底考えられない常識を持っていた。 ではいつからその常識が崩れ、現代の常識が生まれたのだろうか。文化と文化が触れ合う時、必ず摩擦が生じ、一方の常識のメッキが剥がれていく。 本書は「裸」というテーマ一つで、話を押し広め、「常識」についての議論に切り込んでいく。常識や当たり前について考えさせられる一冊となった。

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