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「育休世代」のジレンマ 女性活用はなぜ失敗するのか? 光文社新書

中野円佳

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334038168
ISBN 10 : 4334038166
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2014
Japan

Content Description

昔に比べれば、産休・育休や育児支援の制度が整ったかに見える今、それでも総合職に就職した女性の多くが、出産もしくは育休後の復帰を経て、会社を辞めている。男性と肩を並べて受験や就職活動にも勝ち抜き、出産後の就業継続の意欲もあった女性たちでさえ、そのような選択に至るのはなぜなのか、また会社に残ったとしても、意欲が低下したように捉えられてしまうのはなぜなのか。この本では、実質的に制度が整った二〇〇〇年代に総合職として入社し、その後出産をした一五人の女性(=「育休世代」と呼ぶ)に綿密なインタビューを実施。それぞれの環境やライフヒストリーの分析と、選択結果との関連を見ていく中で、予測外の展開にさまざまな思いを抱えて悩む女性たちの姿と、その至らしめた社会の構造を明らかにする。

目次 : 1章 「制度」が整っても女性の活躍が難しいのはなぜか?/ 2章 「育休世代」のジレンマ/ 3章 不都合な「職場」/ 4章 期待されない「夫」/ 5章 母を縛る「育児意識」/ 6章 複合的要因を抱えさせる「マッチョ志向」/ 7章 誰が辞め、誰が残るのか?/ 8章 なぜ「女性活用」は失敗するのか?

【著者紹介】
中野円佳 : 1984年東京都生まれ。2007年、東京大学教育学部卒、新聞社入社。2014年、立命館大学大学院先端総合学術研究科修了。東大卒の母親のコミュニティ「東大ママ門」立ち上げ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • Miyoshi Hirotaka

    均等法から30年、今は育休の時代。働くことの平等のさらに先を目指す社会になった。これまでの男女平等は男と女を同じ存在と見做すのではなく、女を男と同じ存在とみなす理念を押し付けた。そこで評価されたのは男と競争する「名誉男性」。ところが、これでは出産や育児の際の選択により、その後の振れ幅が大きくなり過ぎる。私的、公的に教育投資をした女性の能力が社会的な意思決定過程に反映されないことは費用対効果に見合わないだけでなく社会の損失。男女は競争ではなく協働。置かれた場所で咲く努力、よく咲く場所に置く努力が求められる。

  • mochiomochi

    う〜ん、タイトルが加筆修正される前の論文の時の方がしっくりくる気がする。総合職で就職し、20代で出産した女性たちへのインタビューを分析して「なぜ女性活用は失敗するのか」というタイトルへ迫ろうとしているが、私の頭の問題か、結局そこには明確な結論は示されていなかったように思えた。カテゴライズできない様々な要因が複雑に絡み合っている問題だと思うし、『女性だから〜』で議論をするのは無理のある問題だと思う。本書が発行されたのが2014年、それから10年経っているので状況は色々と変わってきているのだろうか。

  • よーこ

    女性活躍が推進される昨今、昔に比べ、産休・育休などの制度は整ってきたかのように思われる。それでも育休から職場復帰し結局辞めてしまう人がいたり、また会社に残っても意欲が低下しているように見えるのは何故なのか。そこには「そこまでしてする仕事なのか」という女性の葛藤があった。結局『職場のあり方』が夫婦関係を規定したり、個人の人生の満足度を左右する。職場としては、社員が育児をしていることに対し、無配慮もいけないが、過剰に配慮しやりがいを奪うのもいけない。また育休後、仕事内容を変えないことが重要というのは納得。

  • katoyann

    総合職として採用されたものの、途中で退職した女性15名へのインタビュー調査を基に就労継続を志向する女性のジレンマについて分析した研究書。社会学の修士論文が基になっている。女性は就労継続のために、育児のための時短勤務に関する配慮があるマミートラックという出世に縁のないキャリアコースを選ばされることが多いという。これは先行研究通りだが、出世を目指して職場で働いている女性が「男性中心的な企業論理」(281)を内面化してしまい、結果としてそのキャリアモデルが男性中心的な組織の論理を強化するという分析に本書の(続く

  • 織川 希

    ★★★★★ 客観性から心の叫びを映し出す書物。本書は、2010年代に育休を取得した女性たちを対象に、彼女たちが抱える仕事と家庭の間の葛藤について論じている。もとは修士論文であり、それを筆者自らが加筆修正して書籍化したものだ。出版されたのは2014年なのに、女性たちが心に抱える苦しみや怒りは、10年経った今でもさほど変わらない。そのことは、今まさに育休世代となる私自身が自信を持って断言できる。本書執筆の動機は苛立ちだったという筆者へ、私たちの悲痛な叫びを代弁してくださったことを心から感謝したい。

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