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落語の種あかし 岩波現代文庫

中込重明著

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006004026
ISBN 10 : 4006004028
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan

Content Description

「芝浜」「文七元結」「大山詣り」「黄金餅」「風呂敷」「塩原多助一代記」…古典落語の多くは、噺本、黄表紙、講談、歌舞伎など、先行文芸・芸能に材を得ている。だが、史実と思われていた噺が実は虚構だった、全くの作り話から伝承が生まれていたなど、虚実が複雑に絡み合い、成立の過程は謎が多い。博覧強記で知られた著者は膨大な資料を読み解き、類似の説話を比較対照し、落語のみなもとを探り当ててゆく。落語をこよなく愛した著者が遺した、面目躍如の種あかし。

目次 : 第1章 落語における笑いの生成/ 第2章 人情噺はいかにして成立したか(「芝浜」―金を拾うはなしを正直説話より見る/ 「文七元結」―身投げを止めるはなし/ 「帯久」―名裁きばなし/ 猫家・皿屋敷―伝説化された人情噺)/ 第3章 噺さまざま、起源さまざま(「大山詣り」―狂言からの着想/ 「黄金餅」―奇想と滑稽の極み/ 「悋気の火の玉」「三年目」―執心ばなし/ 「風呂敷」「つづら」「短命」他―艶笑噺/ 「風呂敷」再考―東西の説話がいかにして交流するのか/ 「中村仲蔵」―出世噺の成立)/ 第4章 円朝の種あかし(『塩原多助一代記』―原話のからくり/ 『蝦夷錦古郷の家土産』と『欧州奇談夢廼暁』―翻案物異説)

【著者紹介】
中込重明 : 1965‐2004年。東京都に生まれる。法政大学卒業、同大学院人文科学研究科博士課程満期修了。近世・近代文学、博士(文学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 六点

    落語の芸談のようなタイトルであるのだが、40歳で早逝した著者の学位論文である。演者の速記を一応の完成体とし、その噺が如何なる原話を持っているかを明らかにした一書。著者を始めとする斯界の研究者の博捜ぶりは凄まじく、文学書から何と、仏教経典に至るまで「何をそこまで」と、読者にして思わしむるほどのものである。読んでいて知的興奮に囚われまくったのである。学生時代、歌舞伎の原典を探すという講義に出席していたせいであろう。読者を選ぶ一冊であることだよと思ったことであるよ。

  • 紅林 健志

    落語の典拠研究。類話をあげたところで終わってしまっているものもあり、典拠研究はむずかしい。ただ、「芝浜」を「正直説話」と見る、という章はすごくおもしろかった。また「落語における笑いの生成」など総論の部分もよい。

  • kaz

    いかにも学位論文という構成で、読むのに少し疲れる。まさに「生きている」噺の原話を探ることにどのような意味があるのかという疑問も無いではないが、速記等ストーリーがハッキリしたものであれば、その変遷等を追うのは非常に興味深い。図書館の内容紹介は『落語の多くは、先行文芸に材をとっている。博覧強記で知られる著者が、多くの文献から類似の説話を探し出し、「芝浜」「文七元結」「黄金餅」「風呂敷」など名作落語の原話をつきとめ、興味津々の種あかしを披露する』。

  • でろり〜ん

    落語を学問すると、こういう内容になるんでしょうか。実にごもっとも、なんですが、つまんないのであります。それに、この噺がさいこうでしょ、というゴイケンにはなかなか説得されにくいものもありました。種あかしって、そっちの方へ持っていくわけですねえ。はあ、アカデミックなことでけっこうでございますなあ、という感想でした。ま、落語の楽しみ方として、こういうのもありなんでしょうけれどね。なんとも眠くなって読み終わるのに時間のかかった一冊でした。

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