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ロヒンギャ危機-「民族浄化」の真相 中公新書

中西嘉宏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121026293
ISBN 10 : 4121026292
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2021
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ロヒンギャは、ミャンマー西部に住むイスラーム系民族のひとつだ。軍事政権下、国籍が与えられないなど長く差別されてきた。2017年の国軍による掃討作戦以降、大量の難民が発生し、現在100万人が隣国のキャンプで暮らす。民主化運動の指導者アウンサンスーチーはなぜ「虐殺」を否定するのか。本書は、複雑な歴史的背景やミャンマーをめぐる国内・国際政治を通し、アジア最大の人道・人権問題の全貌を示す。

目次 : 序章 難民危機の発生/ 第1章 国民の他者―ラカインのムスリムはなぜ無国籍になったのか/ 第2章 国家による排除―軍事政権下の弾圧と難民流出/ 第3章 民主化の罠―自由がもたらした宗教対立/ 第4章 襲撃と掃討作戦―いったい何が起きたのか/ 第5章 ジェノサイド疑惑の国際政治―ミャンマー包囲網の形成とその限界/ 終章 危機の行方、日本の役割

【著者紹介】
中西嘉宏 : 1977年、兵庫県生まれ。2001年、東北大学法学部卒業。07年、京都大学アジア・アフリカ地域研究研究科より博士(地域研究)取得。日本貿易振興機構・アジア経済研究所研究員などを経て、2013年より京都大学東南アジア研究所准教授、17年、同大学東南アジア地域研究研究所(組織統合により改称)准教授。著書『軍政ビルマの権力構造―ネー・ウィン体制下の国家と軍隊 1962‐1988』(京都大学学術出版会、2009年、第26回大平正芳記念賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 榊原 香織

    日経書評欄で紹介されてたので早速読む。 ミャンマー、今大変なことになってますから、今年1月刊行のこの本からさらに状況は変化。スーチーさん、また軟禁されちゃったし。 難民問題は、イスラム対仏教、バングラディシュ対ミャンマーの押し付け合いでもあるんですね。 地名さえよく知らないのでちょっと難しく感じた。

  • skunk_c

    本書の中で民主派が常に軍部のクーデタを懸念しているという記述があるが、現実になってしまった。本題はタイトル通りだが、ロヒンギャの歴史をミャンマーのそれと重ねて解説しており、さらに政治状況についてもかなり丹念に書かれているので、今のミャンマーを考えるのにもとても参考になる。インドから進出していったイギリスの植民地化に伴う負の遺産としての、「国民」として認められないムスリムの問題は、アウンサンスーチーですらそれに近い認識を持っているという恐ろしい現実を突きつけている。もう少し中国の関わりを知りたかった。

  • HANA

    ミャンマーでクーデターが起きるという状況で読んだ一冊。一時期ニュースなどでよく耳にした「ロヒンギャ」という問題。その起源から現在までを追った本である。とりあえず近現代の問題には必ずヨーロッパが絡んでいるなあ。植民地下から始まる根深い問題なので、ナショナリズムと民族の問題がもはやこんがらがってとんでもない根深い問題になっているのだけはわかる。一方を善とするような単純な見方では何も解決しない事だけは確かなんだけど…。今までニュースで表面上しかわからないロヒンギャ問題について詳しく知ることの出来る良書でした。

  • ちゅんさん

    ミャンマーやロヒンギャについてまったく知らなかったが読みやすかった。著者の言葉通り"ロヒンギャ問題の過去と現在を知るための第一歩の読み物"として優れていると思う。だけどこの問題はとても根深く複雑だ。国軍が権力を持ち過ぎな気がするがどうにもならないのか。これからのミャンマーの動向に注視したい。

  • 活字の旅遊人

    あとがきは2020年11月。発行が2021年1月25日。その約1週間後に国軍のクーデター。目まぐるしい。ロヒンギャについて、概略を知る入門書という位置付け。ラカイン州のムスリムが無国籍となる背景や、民主化と宗教対立の関係を知ると、今のニュースも分かりやすくはなった気がする。仏教系の過激派なんて、日本人にはあまりイメージわかないだろうし。そして英領ビルマ、日本の侵攻から独立という歴史も、もちろん現在に影響している。本書の頃はまだ、日本は欧米と一線を画した態度もあったのだけど、この先は欧米に倣えなのかもなあ。

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