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記憶に残る日本語 文豪一二四人の名言・名文

中村明 (国語学者)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784791776467
ISBN 10 : 4791776461
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2024
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

作家たちによる日本語表現の極意。

目次 : 心の底を叩いて見るとどこか悲しい音がする/ 千七、八百年前に同時に型を脱し、同時に窯を出て、同じ墓壁に/ 宵闇に浮かぶ白い浴衣も、おぼつかない白粉の匂いも/ 桐の花の色もちらつかせ、カステラの手ざわりも匂わせたい/ 首だけが、ひとりでに高く登って行く様な気持ち/ うれしさ、聡ずかしさのやり場はこれ以外になかった/ 秋の雨自らも、遠くへ行く寂しい旅人のように/ 老年の凍りつくようななさけなく/ 桜の樹の下には屍体が埋まっている/ 風鈴の音がその日いちにちの終りをセンチメンタルに結ぶ/ 五彩の花々は絶間なく空を染め、絶間なく空に吸込まれた/ 薄鈍びて空に群立つ雲の層が増して/ 浅草の路地の朝は、味噌汁のかおりで明けた/ 永劫であろうとするような光の顫動が音響をすら放って/ 夕日が波紋のような最後の光を放っている中へ五つの影が/ 貝がらを耳に当てると海の音が聞えるの/ 街燈に照らされた雨が、物思いにふける主人公の姿を映す/ 胸の中にほんの少し不逞な気分が入りこんできた/ お前の舌/お前の眼/お前の昼寝姿が/今はっきりと/ 思いつめた目をした中年男が冷たく光る鋭利な刃物を/ やがてだれもいなくなった庭だけが残った/ 彼女自身の心みたいに暗い森の奥で/ マッシュされたじゃがいもに長靴の底の模様が残る/ まさに辞書の鬼で、鞄は「どす黒い情念の塊」

【著者紹介】
中村明編 : 1935年9月9日、山形県鶴岡市の生れ。県立鶴岡南高等学校を卒業。早稲田大学第一文学部国文専修を卒業(論文指導:波多野完治)。早稲田大学大学院日本文学専攻(国語学)修士課程を修了(指導教授:時枝誠記)。研究分野の関係で近代文学の稲垣達郎ゼミにも参加。国際基督教大学助手として外国人学生に対する日本語教育を担当。同大学生え抜きの女性教員と結婚したために退職。東京写真大学(現:東京工芸大学)工学部専任講師を一年、翌年、国立国語研究所員となり長く勤めた。早稲田大学の教授となり、現在は名誉教授。日本文体論学会代表理事(現在は顧問)、表現学会常任理事。高校国語教科書(明治書院)統括委員。一橋文芸教育振興会評議員。鶴岡総合研究所の研究顧問などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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