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笑いのセンス 日本語レトリックの発想と表現

中村明編

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784006002541
ISBN 10 : 4006002548
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2011
Japan

Content Description

川柳、落語、漫才、小説を題材にして、言語表現が生み出す笑いのメカニズムを、レトリック論の立場から明快に分析し、ユーモラスに解説する。「何を笑うかでセンスがわかる。問われているのはまるごとの人間なのだ」(「あとがき」)と考える著者が、コミカルな笑いからしみじみとしたユーモアまで多彩な文例を選び、笑いを誘う勘どころと「笑いのセンス」を縦横無尽に語る。

目次 : 第1章 笑いをめぐる理論(人間と笑い/ 笑いの効用/ 笑い声の種類/ 表情の笑い/ 笑いの奥にある感情/ 笑いの哲学小史/ 日本の笑いと滑稽論/ 笑いの相関図)/ 第2章 笑いのレトリック(笑いをつくりだす言語表現の働き/ 奇先法など/ 漸層法など/ 反復の技法/ 付加の技法/ 間接化の技法/ 比喩表現/ 擬人法など/ パロディー・洒落など/ 矛盾と逆説の技法/ 誇張法など)/ 第3章 笑いの文学史(狂歌・川柳/ 江戸小咄/ 落語/ 漫才/ 夏目漱石『坊ちゃん』/ 夏目漱石『我輩は猫である』/ 内田百〓(けん)/ 寺田寅彦・中谷宇吉郎/ 井上ひさし/ 文学の笑い傑作選)/ 第4章 ユーモアの文体論(高田保・木山捷平/ 尾崎一雄・永井龍男・庄野潤三/ 井伏鱒二/ 小沼丹/ チャールズ・ラムと福原麟太郎)

【著者紹介】
中村明編 : 1935年山形県鶴岡市生れ。早稲田大学大学院修了。国立国語研究所室長、成蹊大学教授を経て、早稲田大学教授、現在は名誉教授。文体論・表現論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 1.3manen

    2002年初出。ユーモアは語源的に体液を意味した(6頁)。べインの卑俗化の理論。優越感を必要条件からはずし、特別な感情の起らないことを条件に、滑稽なのは威厳ある人や事が卑俗に転落する場合。逆の場合(卑俗が威厳に)は笑いが起りにくい事実に注目(26頁)。猿も木から落ちることで笑いが湧く? 笑いの研究書は、1911年の高須梅渓『滑稽趣味の研究』。17年の成瀬無極『文学に現れたる笑の研究』などが端緒のようだ(33頁)。続々。58年大久保忠利『コトバの切れ味とユウモア』。69年河盛好蔵『エスプリとユーモア』。 

  • Shin

    主に日本文学から「笑いを誘う文章」を収集し、人がどんな事象とレトリックに「おかしみ」を感じるかを考察した本。人はあらゆる時に笑う契機を秘めているのだけれど、それを類型化しようとすると結構複雑な話になる。理論的・哲学的にそれを分析することも興味深いが、漱石や井上ひさしなどの作家をそれぞれ独立した節として取り上げている部分は、作家という人間観察の達人が人間社会のどんな部分をどんな視線で見ていたかを浮き彫りにするようで楽しい。人間は笑う動物であるとはよく言われるが、同時に笑いを発見し、創造できる動物なのだ。

  • りりん

    笑いの文学史とでも呼べようか、じつに楽しい一冊であった。ユーモアの正体を、日本が誇る名著たちから探り出し、実例を引用しながら解説することでわかりやすい。また、込み上げる笑いを通じて強制的に納得させられることもあり、読者は、漠然と語られがちなユーモアを肌で感じながらひも解くことができる。私もおもわずニヤリとさせられた。次に飛び出す笑いは何か、そんな期待を抱きながらページを捲った。可笑しみと共に感心がわき立つユーモアは、着眼点と発想の賜物である。容易に真似はできないが、誰かを笑わせてみたいと思える一冊である。

  • hachi921

    笑いに関する考察。「ウケる技術」的内容ではなく、文豪のユーモアを紹介、分析していく内容。古来より笑いは、「良いもの」としても「悪いもの(嘲笑的な含まれるから?)」としても扱われてきたようだ。嘲笑的笑いは現代に溢れかえっているよなと、複雑な気持ちになった。それにしても「ツァラトゥストラふりかけ」は笑う。異例結合の例として取り扱っていたが、現代ではパワーワードと表現するのだろうか。

  • 笑いとはこんなにも奥が深いものであったのか。あまりの深さに迷子になってしまいそうである。

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