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落花は枝に還らずとも 下巻 会津藩士・秋月悌次郎

中村彰彦

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784122049598
ISBN 10 : 4122049598
Format
Books
Publisher
Release Date
January/2008
Japan

Content Description

朝敵とされた会津を救うため、秋月悌次郎は左遷の地より復帰、戊辰戦争の苦難が始まった…。後年、ラフカディオ・ハーンに「神のような人」と評されたサムライの物語。全一二〇〇枚、完結。新田次郎文学賞受賞作。

【著者紹介】
中村彰彦 : 1949年、栃木県栃木市生まれ。東北大学文学部在学中に、「風船ガムの海」で第三十四回文學界新人賞に佳作入選。同大卒業後、文藝春秋に勤務する。『週刊文春』『諸君!』『オール讀物』『別冊文藝春秋』の各編集部および文藝出版部次長を歴任。その間の87年、『明治新選組』で第十回エンタテインメント小説大賞受賞。91年より執筆活動に専念する。93年、『五左衛門坂の敵討』で第一回中山義秀文学賞を、94年には『二つの山河』で第一一一回直木賞を、2005年には『落花は枝に還らずとも』で第二四回新田次郎文学賞を受賞する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yamatoshiuruhashi

    上巻を読むのに年月掛けたのに、後半は一気呵成に近い。城下を舞台の焦土戦、そして敗戦処理。「武士」でありながら「文官」であるとは矛盾するような存在だが、支配階級、為政者を形成する人々が「武士」であるわけで、その中には本来の実力行使役ではなく行政官が必要であり専門職化していったのは時代の必然であったろう。ここで作者はあえて「文官」と使っているのだが、文武官が未分化なのが本来の政府のあり方、国民へのサービスであるべきなのかもしれない。学問を以て仕えるべき人が非常の時に粉骨砕身する姿にうたれる。

  • kawa

    幕末ドラマを敗者の会津藩文官・秋月悌二郎を主人公に据えた秀作歴史小説。会津藩主・松平容保の信念の行動ぶりに比して、慶喜や幕末四賢公(春嶽・容堂・久光・宗城)の腰の据わらない軟弱お殿様ぶりが印象的。小説と言え「さも、ありなん」と思わされる。維新で獄につながれた後、第五高等中学校(熊本)教師に就任した秋月。幕末、互いに八月十八日政変を主導し、三十年間音信を避けられていた薩摩・高崎清風との再会エピソードが面白い。高崎と痛飲した翌日「講義の下調べをしてこなかった」と学生に休講を謝罪する秋月の姿勢にも胸が詰まる。

  • てん06

    落花は枝に還らずとも、来年咲く種とやら。欲を言えば会津藩降伏後の悌次郎の人生に更にページを費やしてもらいたかった。背筋が伸びるような悌次郎の生き方。

  • なつきネコ@吠えてます

    会津を代表する文官の悌次郎ですら時代に流された感が強く。薩長の謀略の凄まじさと会津の真摯さがかってしまう。退路があったのに、その道を進んでしまった会津。開城の使者となり屈辱を耐えた悌次郎。一番の見所だというのに切ない。しかし、明治になり教師として生きた穏やかであり不屈の古武士の悌次郎はホッとする。ハーンが神のような人と言った意味がわかる。さらに中村氏の漢字使いと悌次郎の漢詩と連動して、武士文化の美しさを感じて良かった。落花は枝に還らずともの表題ままの人生。私は激しく真摯に穏やかに生きる事ができるだろうか。

  • さっと

    秋月悌次郎が左遷先の蝦夷地で日を送るうちに京では上洛中の聡明な若き将軍、公武合体に理解あった天皇が相次いで亡くなり、情勢は激しく流転、立場を危うくする会津藩は悌次郎を表舞台に再登板させるも、無謀ともいえる真冬のオホーツクに使者をたてるほどの緊急事態ぶりが、シリアスな場面なんですけど笑っちゃいました。道民の感覚では車社会の現代でも難儀なことですよw鳥羽・伏見の戦いから会津戦争、明治の世にかけて上巻の昌平坂や西国巡覧で出会った人たちとの邂逅も読みどころ。落花は枝に還らずとも、再び芽息吹き実を結ばん。なんてね。

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