Books

李陵 / 山月記

中島敦

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101077017
ISBN 10 : 4101077010
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2003
Japan

Content Description

中島敦は、幼時よりの漢学の教養と広範な読書から得た独自な近代的憂愁を加味して、知識人の宿命、孤独を唱えた作家で、三十四歳で歿した。彼の不幸な作家生活は太平洋戦争のさなかに重なり、疑惑と恐怖に陥った自我は、古伝説や歴史に人間関係の諸相を物語化しつつ、異常な緊張感をもって芸術の高貴性を現出させた。本書は中国の古典に取材した表題作ほか『名人伝』『弟子』を収録。

【著者紹介】
中島敦 : 1909‐1942。東京に生れる。東京帝国大学国文科卒。横浜高女で教壇に立つ。宿痾の喘息と闘いながら習作を重ね、1934年、「虎狩」が雑誌の新人特集号の佳作に入る。’41年、南洋庁国語教科書編集書記としてパラオに赴任中「山月記」を収めた『古譚』を刊行、次いで「光と風と夢」が芥川賞候補となった。’42年、南洋庁を辞し、創作に専念しようとしたが、急逝。「弟子」「李陵」等の代表作の多くは死後に発表され、その格調高い芸術性が遅まきながら脚光を浴びた。享年33(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
1
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
★
学生時代、国語の教科書に載っていた『山月...

投稿日:2021/04/09 (金)

学生時代、国語の教科書に載っていた『山月記』を読み返したくなり購入。今読むと、当時とは違った感情で考える自分に気付く。林修先生もその言葉の美しさに魅了されたと語るほどの格調高い文章なので、読破すると自信がつくのでは?とも思います。名人伝おススメです。

mai さん | 不明 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ヴェネツィア

    中島敦の小説の中では、高校の教科書に掲載されることの多い『山月記』がもっともよく知られているだろう。では、彼の最も真骨頂を発揮した作品はといえば、それはやはり『李陵』だ。「漢の武帝の天漢二年九月、騎都尉・李陵は歩卒五千を率い、辺塞虜鄣を発して北へ向った」―この最初の1文から、既に我々読者は紀元前1世紀の広大な中国大陸の辺境へと誘われるのである。そして、中島敦の描く李陵、司馬遷、蘇武、それぞれの運命や行動を追体験するのだ。中篇小説でありながら、あたかも大長編を読んだかのような読後感もまた特筆に値するだろう。

  • ehirano1

    僭越ながら、当方の読書経験からこういう薄い本は難解か面白いかのどちらかである場合が多いのですが、これは後者でした。とは言え、注釈多いし漢文もあってすんなりとはいきませんけど、推測しながら通読した後、注釈で確認しました。まるで国語の試験を受けている錯覚に陥りましたが、不思議と嫌な感じはせず、むしろ楽しかったくらいでした。再読したい良書だと思います。

  • 優愛

    理由も分からずに押し付けられた運命を理由も分からずに受け取って生きていく。人間の心でどうして虎になったのかと考え、気付けばどうして人間だったのかと虎の心で考えている自分への情けなさと恐怖と憤り。人間に還る時間が短くなっていく辛さを私が受け止めてもいいのだろうか。初めて兎を殺し人間の心で苦しむ。そして思う。虎になりきることが出来れば人間の心で悔やむこともなくなるのだと。それがどんなに幸せだろうと。残月、その遠吠えに震える虎としての小さな心。人間が薄れていく夜に、その泣き声が確かに響いた。誰もいない森の中に。

  • 酔拳

    再読です。いずれも、中国古典を題材にした、短編です。「李陵」「弟子」は、難解です。「名人伝」「山月記」は教科書にも採用されていて、名作です。教訓が、胸をうちます。以前、「悟浄出世」「悟浄歎異」を読んだことあるのですが、そちらは、楽しくよめめたのを記憶しています。「悟浄歎異」で、最後、悟浄が夜空を眺めているシーンは、いつまでも、心に残っています。

  • れみ

    お芝居を観に行くための予習として「山月記」と「名人伝」のみ再読。文章が美しく、寂寥感や焦燥感、躍動感、そして時々ユーモアも感じられて素晴らしい。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items