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縄文 革命とナショナリズム

中島岳志

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784778319724
ISBN 10 : 4778319729
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

戦後日本において岡本太郎が縄文を発見し、思想家、芸術家たちのなかで縄文への関心が高まった。柳宗悦ら民芸運動の巨匠たちが縄文に本当の美を見出し、島尾敏雄が天皇以前の原日本人の姿を託し、吉本隆明を南島論へと向かわせた。縄文は日本赤軍のイデオロギーにも取り込まれ、オカルトを経由しニューエイジ、スピリチュアリズムに至る。梅原猛が霊的世界を称揚する縄文論を展開し、「縄文ナショナリズム」を生み出すことになった。それは、一九九〇年代の右傾化現象のなかでさらに裾野を広げている。

目次 : 序章 戦後日本が「縄文」に見ようとしたもの/ 第一章 岡本太郎と「日本の伝統」/ 第2章 民芸運動とイノセント・ワールド/ 第三章 南島とヤポネシア/ 第四章 オカルトとヒッピー/ 第五章 偽史のポリティクス―太田竜の軌跡/ 第六章 新京都学派の深層文化論―上山春平と梅原猛/ 終章 縄文スピリチュアルと右派ナショナリズム

【著者紹介】
中島岳志 : 1975年大阪府生まれ。東京科学大学リベラルアーツ研究教育院教授。大阪外国語大学外国語学部地域文化学科ヒンディー語専攻卒業。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科准教授を経て、現職。専門は南アジア地域研究、日本思想史、政治学、歴史学。2005年、『中村屋のボース インド独立運動と近代日本のアジア主義』(白水社)で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞。2007年、『ナショナリズムと宗教 現代インドのヒンドゥー・ナショナリズム運動』(春風社)日本南アジア学会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • どら猫さとっち

    縄文時代と戦後日本。これほど結びつきがあったとは知らなかった。岡本太郎、芹沢長介、島尾敏雄、手塚治虫、太田竜、梅原猛、窪塚洋介…。彼らが縄文で見た“イノセントワールド”、それはスピリチュアルとポリティクスを見いだした世界でもあった。憧れとノスタルジーが交差した日本史の始まりに、日本のあるべき姿が見えた。「超古代幻想の現代史」のすべてが、ここにある。

  • Asakura Arata

    縄文時代についてはわからないことが多く、取り上げる人の妄想幻想が垂れ流しになり、恣意的にプロパガンダの道具として利用される。そもそも「縄文時代」という区切りも恣意的だし。しかし、今後の分子生物学的にDNAによる解明が進めば、もう少し妄想できにくくなっていくだろう。

  • Koji Harasawa

    参政党という集団がいま行われている参院選で躍進するとされている今、読んで良かった。スピリチュアルとナショナリズムが、なぜ融合するのか。その2つを結ぶのが縄文なのだろう。考古学的には解明が難しい故、時代毎に必要とされる意識が縄文に反映されてきた。これからもそれは続くだろうと著者は分析する。縄文をめぐって何が語られているのかを知ることは、その時代が求めている解決策を知る一助になるのかも知れない。400頁を超える力作だが、まったく飽きなかった。

  • Sin'iti Yamaguti

    「縄文」をめぐる戦後思想史。縄文左派と縄文右派という視点は興味深い。本書に登場するのは岡本太郎、島尾敏雄、柳宗悦、吉本隆明、八切止夫、太田竜、上山春平、梅原猛ら。このうちでは太田竜が興味深い。極左の思想家・活動家だと思っていたが、だんだんとスピリチュアリティを経て極右、そして陰謀論者になっていく。おそらく、極左と極右は対極にあるのではなく、紙一重ではないだろうか。したがって「革命」と「ナショナリズム」は穏健であるうちは対立軸のように見えても、極端になるとくっついてしまう。

  • yuyuCh

    半ば悪口でいうと中島さんお得意の「言説まとめ芸」で出来ている一冊で、彼の器用さや守備範囲の広さ(汎用性の高さ)が読むものに家に帰ってジグソーパズルを作るような心地よさ…、つまり予め完成図は何となく分かるのだが、それを組み立てること自体が快になるという読書体験を見事に得ることができてしまった。でも、それでも面白い!から彼の本はやめられません。青森出身の私としては無視できない、非常によくわかる話だからこそ反省的に考えたい。この本の先を。

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