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鍵盤の天皇 井口基成とその血族

中丸美繪

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784120055058
ISBN 10 : 4120055051
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    ピアニストとして、そして、音楽教育者としての井口基成先生の偉大さだけでなく、戦前から戦後の音楽界の動きがとてもよくわかり、大変面白い。パワハラとしか言いようのない基成先生のレッスンの厳しさは有名だが、その背後にあるこの先生の人間的な魅力がよく描かれている。井口一門と言っても、秋子先生、愛子先生、基成先生それぞれの違いもよくわかる。ただ、本書は、基成先生の女性問題、井口家の修羅、吉田秀和先生や斎藤秀雄先生の闇など週刊誌的な話題が多く(それはそれで面白いが…)、ピアニズムなどの音楽的な分析が乏しいのが残念。

  • 松本直哉

    中学生のころ、白い表紙の印象的な井口基成校訂のパルティータの楽譜で勉強してバッハの世界に開眼した私にとって井口は恩人のような存在。ドイツ一辺倒なのかと思っていたら留学先はフランスでイーヴ・ナットに師事、早くからスクリャービンに取り組み、バルトークやラヴェルの出来立てほやほやの協奏曲を日本初演するなどレパートリーは幅広い。加えて校訂者そして教育者としての八面六臂の活躍は、近代日本の音楽史そのものといってもいい。20年以上かけた各方面への取材から得られた貴重な証言から、豪放磊落にして繊細な人間像が浮かび上がる

  • 都人

    私は50年にも及ぶクラシック音楽のファンだが、井口基成の名前を知ったのは、今年の6月に小沢征爾氏の「兄弟と語る」を読んだときだ。日本のクラシック音楽の歴史・桐朋学園の歴史の詰まった600pの本だ。馴染みのある音楽家がそれこそキラ星のごとく登場する。 8月11日、中丸美繪著「斉藤秀雄の生涯、嬉遊曲鳴りやまず」を読む。クラシック音楽ファンにとって至福の時だ。 8月17日、中丸美繪著「朝比奈隆 オーケストラ、これは我なり」を読む。大変面白く拝読した。この二冊はこのブログで検索しても出て来ない。ここに書く。

  • Toshiyuki Marumo

    とても読みごたえがあった。 戦前、戦中、戦後を生きた一人の巨人であるピアニスト・教育者としての井口基成は、恐るべきエネルギーの人であると同時にひどく悲しい孤独な人でもあった。 晩年の井口の修羅の姿は、巨大な夕日が赤く燃えながら沈んでいくのをただ見守る時のような寂寥と無常を感じさせる。 この本の記述の中には現役の音楽家やその家族にとって触れてほしくないであろうエピソードも数多く描かれている。 それを描く、描かざるを得ない著者の中村美繪氏の内面にもまた修羅があるのではないかという感慨も浮かぶ。

  • 曽我芳次

    昭和から遠くなった今では、「井口基成」という名前は、昭和の日本の音楽の動向に興味を持たなければ、まず出会うことがない…というくらいに忘れられている。昭和世代にとって、井口基成は、題名の通り「鍵盤の天皇」だった。日本で演奏されていない同時代の作品に真っ先に飛びつく井口のバイタリティのバックボーンも、読んでみるとなるほど納得である。スパルタ的授業風景、私生活での荒れっぷりも、丹念な取材の上で包み隠さず書かれていて、「鍵盤の天皇」の実態を知るという意味では面白い。積極的に読む本ではないが、知りたい人向きだろう。

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