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折口信夫「まれびと」の発見 おもてなしの日本文化はどこから来たのか?

上野誠

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784344039551
ISBN 10 : 4344039556
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

客として訪れる「まれびと」をもてなす「まつり」。年中行事こそ日本文化の核であり、茶道、華道、建築、料理、芸能のすべてが、「まれびと」への奉仕から生まれたものである。明治以降の近代化と敗戦により、断ち切れそうになった日本人の心の歴史を伝えようと折口は考えた。その魂の古代学を上野誠がわかりやすく、今、解説する。

目次 : はじめに―いのちの道標/ 第1章 神と人との関係こそ文化だ/ 第2章 いのちの道標/ 第3章 まれびとと男と女/ 第4章 精霊との対決/ 第5章 年中行事があればこそ/ 第6章 歌と語りと日本人/ 第7章 日本の芸能のかたち/ 第8章 折口信夫が目指したもの/ おわりに―どうしたら折口信夫を理解することができるか

【著者紹介】
上野誠著 : 1960年、福岡県生まれ。國學院大學大学院文学研究科博士課程満期退学。博士(文学)。國學院大學教授(特別専任)。奈良大学名誉教授。第12回日本民俗学会研究奨励賞、第15回上代文学会賞、第7回角川財団学芸賞、第12回立命館白川静記念東洋文字文化賞、第68回日本エッセイスト・クラブ賞受賞。万葉文化論の立場から、歴史学・民俗学・考古学などの研究を応用した『万葉集』の新しい読み方を提案(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • trazom

    折口信夫氏の「言葉」を上野先生が読み解く。129のトピックスで構成されるが、多くの項目で、折口氏の文章が引用されている。「でもんとかすぴりつととか言ふ、純粹な~ではない所の野山に満ちてゐるあにみずむの當體…」というような歴史的仮名遣いの文章が懐かしい。引用を受けて上野先生の解説が続き、「…と折口信夫は考えていました。」という一文で項目が結ばれるパターン。折口氏に対する愛しみにあふれた上野先生の文章が心に染みるが、あとがきで、本書が口述筆記だったと明かされる。そういえば、折口氏の論文も「語り」だったなあ。

  • yamatoshiuruhashi

    「まれびとの発見」との題から賓論かと思いきや折口信夫の考え、著作を浅く広く何より分かり易く紹介してくれる一書。新聞書評で見かけ折口信夫関係だから買ったがこれは古典文学や民俗学などの分野に興味を持つ人なら是非にと勧めたい。折口の研究は如何なものであったかとテーマ別に2ページ程度に収めている文章の集まりだが、だからこそ折口の全体像がなんとなく見えてくる。折口の中央公論社全集(全40巻)を20年以上前に毎月大枚叩いて購入していたが、本書が先にあればもっと理解しつつ楽しめたのになと思う。民俗学ファン必読だと思う。

  • 井月 奎(いづき けい)

    折口信夫の著作は難解です。これは誰もがうなずいてくれると思うのですが、同時に読み解けなくとも感じる魅力や香気、怨念が漂ってつい頁を手繰るのです。難解さに手掛かりを与えてくれるこの本の著者、上野誠は折口の孫弟子にあたるそうで、心酔しつつ、反発しつつ折口を勉強したそうです。それは学者としてあらざる態度(論文に私情をはさむ、結論を下さないなど)からくる難解さをある程度和らげてくれます。私は折口信夫は情念と怨念の人だと思っていますので、上野誠の指南書を手掛かりにその点を思いつつ折口を再読してみます。

  • のれん

    折口信夫という民俗学研究者の大家は大変学問らしくない研究をしていたそうだ。 物語と揶揄される、広い視座で物事を総括し「筋の通った」世界観を構築する。 現代において、そんな研究者は小説家と大差ない。だからこそ折口信夫という人物研究を焦点にし、間接的な日本人文学の俯瞰をする本書。 口述筆記でキーワードごとの解説はフワフワしている。少数派に寄る研究そのものが異郷から来たまれびとのように、変わった印象を受ける。 ただ外来の影響を受ける曖昧な信仰に実に日本らしさを感じた。分かりにくいけどなんとなく伝わる、そんな話。

  • うえ

    「折口の学問には、復讐心のような強い情念がある。下位者が上位者を恨む心である。常にこの人は、アンチの道を選ぶ人なのだ。常に、マイノリティーの立場から、反発する心で学問をしている人なのである。文学研究の主流が文献学なら、民俗学的研究方法で。短歌創作でも、主流のアララギ派とは、途中で決別した。神道研究でも、けっして主流ではなかった。民俗学でも、柳田國男を思慕しつつも、柳田の方法とは正反対の方法を取った。官学に対しては、私学の立場から発言した。また、性的にも、マイノリティーであった。」

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