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海潮音 上田敏訳詩集

上田敏

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784101194011
ISBN 10 : 4101194017
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2006
Japan

Content Description

ヴェルレーヌ、ボードレール、マラルメ、ブラウニング…。清新なフランス近代詩を紹介して、日本の詩檀に根本的革命をもたらした上田敏は、藤村、晩翠ら当時の新体詩にあきたらず、「一世の文芸を指導せん」との抱負に発して、至難な西欧近代詩の翻訳にたずさわり、かずかずの名訳を遺した。本書は、その高雅な詩語をもって、独立した創作とも見られる訳詩集である。

目次 : 燕の歌(ガブリエル・ダンヌンチオ)/ 声曲(ガブリエル・ダンヌンチオ)/ 真昼(ルコント・ドゥ・リイル)/ 大饑餓(ルコント・ドゥ・リイル)/ 象(ルコント・ドゥ・リイル)/ 珊瑚礁(ホセ・マリヤ・デ・エレディヤ)/ 床(ホセ・マリヤ・デ・エレディヤ)/ 出征(ホセ・マリヤ・デ・エレディヤ)/ 夢(シュリ・プリュドン)/ 信天翁(シャルル・ボドレエル)〔ほか〕

【著者紹介】
上田敏 : 1874‐1916。1874(明治7)年生れ。東京大学英文科に学び、小泉八雲らに師事。モーパッサン、ツルゲーネフらの翻訳を収めた美文集『みをつくし』を刊行後、1903年夏目漱石と共に東大講師となる。フランス象徴派・高踏派の訳詩を発表、’05年にそれらをまとめ序を付した訳詩集『海潮音』を刊行する。森鴎外、永井荷風、北原白秋らと交遊し、詩作、翻訳、評論等に活躍した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • ヴェネツィア

    ここからとられたアンソロジーで、いくつかの詩にはなじみがあったが全文を読むのは初めて。「ふらんすへ行きたしと思へども ふらんすはあまりに遠し」と詠った朔太郎は、この詩集を読んで何を想っただろうか。ルコント・ドゥ・リイルなど、高踏派の詩人たちの訳詩は、あまりにも大時代だが、ボードレールやヴェルレーヌ等の象徴派の詩は、今も切々とうったえかけてくるものがある。ことにマラルメの『嗟嘆(といき)』の浪漫的な象徴性は、白秋や朔太郎の詩にその面影を求めることができる。「淡白き吹上の水のごと、空へ走りぬ」このロマネスク。

  • 新地学@児童書病発動中

    著名な訳詩集。文語体と古語が苦手な私には読みにくい詩集だったが、その素晴らしさは理解できた。西洋の詩なのに、日本的な美と韻律が感じられるのが興味深い。英語やフランス語は日本語と全く異なっているが、フランス人や英国人の胸の中に湧き上がる詩情は日本人にも理解でき、それを訳者が美しい日本語へ移し替えたのだろう。私の好きなブラウニングを上田敏が評価しているのが嬉しかった。ブラウニングの楽天説(本文より)に共感していたので、あの名句「神、空に知ろしめす/ すべて世は事も無し」が生まれたのかもしれない。

  • ハタ

    上田敏訳の詩の魅力。それは日本語の美しさと尊厳が余す事なく含まれている部分ではないかと強く感じます。自分の感想からはその一つ「落葉」を紹介。「秋の日の ヴィオロンの ためいきの 身にしみて ひたぶるに うら悲し。 鐘のおとに 胸ふたぎ 色かへて 涙ぐむ 過ぎし日の おもひでや。 げにわれは うらぶれて ここかしこ さだめなく とび散らふ 落葉かな。」 是非音読してみて下さい!韻がとても美しい余韻を心身に残してくれます。

  • まさむ♪ね

    夢に溶けゆく夕まぐれ、染まる山と海、見上げた群青の空にたわむれる言葉の流星群。ひとつでも多くつかまえようと、気がつけば無心に耳を澄ませていた。波の、風の、星の、野山の草花のうたううた、いのち儚き者たちのかそけき声がきこえる。もののあはれ、詩人たちの奏でる麗しき孤独の饗宴。巨匠上田敏魂宿る名指揮。

  • 情報の削除希望

    献辞『遥に満州なる森鴎外氏にこの書を献ず』で始まる訳詩集。今度はフランス詩人『ポオル・ヴェルレエヌ』の詩を読むことが出来ました。ランボオの詩は烈しい、苛立ちや絶望を感じたのに対して、こちらは明らかに違う。上品な文字が並ぶ。『主を讃む。心素直に。眼差し。恋しき。夢ながら。』彼の詩は音楽の声を伝えるようだと著者は表現している。訳者は江戸時代生まれで本書は明治の出版。古い文体が難しかったので辞書片手に💦それでもそれぞれの詩人の感覚的なものは感じ取れたと思います。再読必須…精進します。

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