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人口の中国史 先史時代から19世紀まで 岩波新書

上田信

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004318439
ISBN 10 : 4004318432
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

一八世紀に突如起こった人口の爆発的増加は、中国を知るための鍵である。それはなぜ、どのように起き、今まで続いてきたのか。文明の始源からの歴史がもたらしたさまざまな条件と、大変化のメカニズムを明らかにし、現在、そして未来までも人口史から読み解く。ヒトの生態を羅針盤にゆく、中国四千年のタイム・トラベル。

[目次]
はしがき

序 章 人口史に何を聴くのか
第一章 人口史の始まり――先史時代から紀元後二世紀まで
第二章 人口のうねり――二世紀から一四世紀前半まで
第三章 人口統計の転換―― 一四世紀後半から一八世紀まで
第四章 人口急増の始まり―― 一八世紀
第五章 人口爆発はなぜ起きたのか――歴史人口学的な視点から
第六章 人口と叛乱―― 一九世紀
終 章 現代中国人口史のための序章

あとがき

参考文献リスト

【著者紹介】
上田信 : 1957年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。現在、立教大学文学部教授。専攻、中国社会史、アジア社会論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    長らく人口世界一の国とされてきた中国だが、その人口数の増減はほとんど政治が左右していた。各王朝ごとに国の面積や支配地域はバラバラで、人口把握の意志や方法も異なり、戦乱や飢饉や疫病で死者や逃散や外部民族の流入が当然だったのだ。著者命名の合散離集サイクルが繰り返された結果、広い大陸に最大1億人程度しか住まない状況がずっと続いてきた。それが清朝時代の18世紀になると人口爆発が起きた背景を、歴史人口学の手法で貨幣経済浸透と開墾余地の大きさから立証する。つくづく中国は、人が住むには優しくない土地だと思い知らされる。

  • サアベドラ

    中国人口史の概説書のような題名と体裁だが、実際のメインは18世紀以降に清朝で起きた漢民族の人口爆発で、その原因を社会的、経済的観点から論じている。2020年刊。著者の専門は中国近代社会史。官僚制度が高度に発達した中国といえども前近代に政府が人口を把握することは困難だった(そもそも戸口単位で徴税していた時代には人民の正確な数字は不要だった)。また当然ながら戦乱期はデータが不足している。近代歴史学的手法による研究は端緒についたばかりで、人口を軸に中国史を論じるのはまだ難しいのかなといった印象を受けた。

  • kk

    中国史の中での人口動態の意味合いなどを実証的に考えてみようとする試み。人口の増減傾向を分析するには男性の数はあまりが関係なく、女性の生育数が重要という指摘に驚いた。考えてみれば当たり前のことかもしれんけど。また、近世の人口増加傾向について、平均余命の延伸そのものなどよりも、女溺風習の克服や貨幣経済発達による端境期乗り切りの容易化などが大きな要因になっているといった主張に興味を惹かれた。男性人口過多が社会・政治情勢に及ぼし得るインパクトの考察にも感心した。ほんと、中国史ってのは一筋縄ではいかないですね。

  • Toska

    王朝ごとのタコツボを脱し、通史で中国を振り返ろうという意欲作だが、その切り口として「人口」を選んだ点がユニーク。実際、中国の人口は自然環境よりも政治の営みから大きな影響を受けており、人口変動は歴史そのものと言っていい。さらに、国が民の数を把握するという志向自体が極めて先進的だった(現存最古の人口統計は西暦2年のもの)。A.フランスの表現を借りるなら、「驚嘆すべきは人口の多さではなく、人がそれを数えたことなのだ」。

  • 崩紫サロメ

    中国史の人口動態について合散離集というモデルを提示し(p.16)紀元前から現代に至るまでを分析する。中心となるのは著者の専門に近い18世紀で、この時期人口爆発が起こっているが、それは何故なのか、というところである。貨幣経済の浸透により農業を離れた生き方が可能になり、それが「溺女」の習慣を減らしていった、と分析。また、故郷を離れて働く男たちが太平天国の乱なのに関わっていく、と移動の歴史との関係指摘する。

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