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クーデター 政権転覆のメカニズム 中公新書

上杉勇司

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784121028648
ISBN 10 : 4121028643
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

国際秩序の変動期にクーデターは「避けられない悪」として頻発するが、今またその兆候が著しい。本書は21世紀のグローバルサウスから昭和の動乱期まで、未遂や失敗例も含め横串で検証。行動原理や成功要因を解明し、民主主義vs権威主義vsイスラム主義、SNSの影響、資源争奪戦、ワグネルの暗躍など現代の特徴にも切り込む。国益を左右する重大な事態として、当事国の民政移管や治安部門改革への支援など、日本の役割を問う。

【著者紹介】
上杉勇司 : 1970年静岡県沼津市生まれ。国際基督教大学教養学部を卒業後、米国ジョージメイソン大学・紛争分析解決研究所で紛争解決学の修士号を取得、米国ケント大学で国際紛争分析学の博士号を取得。カンボジア、東ティモール、インドネシア、アフガニスタン、スリランカ、フィリピン、キプロス、ボスニアなど世界各地の紛争地で平和協力や研究を実践してきた。広島大学大学院国際協力研究科准教授などを経て早稲田大学国際学術院教授。著書『変わりゆく国連PKOと紛争解決』(明石書店、2004年、国際安全保障学会加藤陽三賞)ほか(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    クーデターは革命や内戦と同一視されてきたが、全くの別物であるのを明確に定義する。現政権内部の不満分子が権力奪取を狙って非合法に起こすのがクーデターであり、支配階層における権力闘争といえる。支配のための暴力装置である軍の決起が多く、無血での成功もある理由だ。国民の合法的な権力参加や文民統制がないがしろにされ、政府や指導者の政策失敗や支援者に利権を配分できない国で起こる好例が226事件だった。結局、一部による金と権力の独占支配解消こそクーデターをなくす最善策だが、人間の欲望がそれを拒む現実は何ともやるせない。

  • skunk_c

    クーデターについて、その定義から要因、手段、成功要因、防止策などについて、コンパクト克つ網羅的に論じたもの。特に第2次世界大戦後の各国のクーデターを実例にし、分析していて具体性が高く、さらに各章にまとめがあるためその考え方が上手く整理されているため、大変分かりやすい。日本に関しては戦後失敗例(三島由紀夫)しかないため、昭和最大のクーデターである二・二六事件を題材に論じており、タイのクーデターと異なり天皇の激怒を招いたのが失敗要因とされる。クーデターによる政権転換は本質的に不安定であることを知れたのが収穫。

  • HANA

    滅茶苦茶面白い。クーデターの定義から始まり発生要因とその成功、いかに防止するかや決起後の流れまでが自分のような初学者にもわかりやすく書かれていて、これを読むだけでクーデターとは何かというのがわかるようになっている。従来クーデター=悪みたいなイメージだが、成功例を見るとそんな単純な二元化されるものではないのが良くわかるなあ。特に興味深いのは失敗例として取り上げられた2・26の部分。決起後の流れと失敗要因が詳しく取り上げられているが、これを見ると数多の失敗があり成功確率は極めて低いなあ。まさに基本図書でした。

  • よっち

    非合法的な政権奪取である「クーデター」。未遂や失敗例も含め幅広く検証して、行動原理や成功要因を解明する1冊。国際秩序の変動期に「避けられない悪」として頻発するが、昨今またその兆候が著しいクーデターとは何か。革命や内戦、暴動、テロとの違い、歴史を動かした戦前と多発する戦後、発生する要因と成功条件から何が成否を分けるのか、21世紀に入ってからの5つの特徴、抑止へ向けた多角的アプローチの必要性、決起後の課題に加えて、日本で起きた2.26事件、日本外交の支援の取組みも紹介されていましたが簡単ではなさそうですね…。

  • そうたそ

    ★★★☆☆ クーデターというと、現代日本ではあまり馴染みがない。直近では三島由紀夫の自衛隊駐屯地の占拠。だが、これを覚えている人は相当の高齢だろう。一方、アフリカや中東では今でもクーデターが起こり続けているし、お隣韓国でも大統領による非常戒厳令の発令が記憶に新しい。そんなクーデターのメカニズムを丁寧に解説してくれる本書だが、主観を排した体系的な説明になっており、非常に分かりやすい。クーデターは一見効果的なようで、成否がどうであれ、長期的に見ると成功は期待できない。とはいえ、今後も起こり続けるのだろう。

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