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維新史再考 公議・王政から集権・脱身分化へ Nhkブックス

三谷博

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784140912485
ISBN 10 : 4140912480
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2017
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:
三谷博 ,  

Content Description

明治維新は武士という支配階級がみずから消滅する大変革だった。徹底した革命が犠牲者も少なく実現されたのはなぜか。この問いに答え、複雑を極める維新史の全体を通観するために、公議・王政・集権・脱身分化の四課題をめぐる提携と対抗として安政五年政変から西南内乱までを史料に即してつぶさに描く。さらに、武力よりも多数派形成の努力が鍵であったことを見出し、今日のリベラル・デモクラシーの起源をも解き明かす。志士や雄藩の活躍物語という伝統的なスタイルを完全に脱し、第一人者が研究の集大成として世に問う、新説・明治維新史。

目次 : 明治維新の前提―グローバル化の第四波/ 近世東アジアの世界秩序/ 近世日本の双頭・連邦国家/ 近世日本の社会―構造・動態と社会結合の変化/ 十九世紀前半の国際環境と対外論の蓄積/ 幕末:対外政策の変転/ 幕末:政治秩序の崩壊/ 幕末:公議・尊攘・強兵の運動/ 幕末:秩序再建の模索―「公武合体」体制の成立と武力衝突の出現/ 維新:「王政」・「公議」政体へ(一)―その最初の試みから最後の大名会議まで/ 維新:「王政」・「公議」政体へ(二)―武力の動員と政策・提携関係の激変/ 維新:「王政」・「公議」政体へ(三)―二つの「王政復古」/ 明治:政体変革の三年半―「公議」・「集権」・「脱身分」/ 明治:改革急進と武力反乱/ 明治維新と人類の「近代」

【著者紹介】
三谷博 : 1950年、広島県福山市生まれ。跡見学園女子大学教授、東京大学名誉教授。専門は19世紀の日本・東アジア史。東京大学大学院人文科学研究科国史学専門課程修了。東京大学博士(文学)。学習院女子短期大学助教授、東京大学教授などを経て現職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • skunk_c

    幕末の複雑な政治変動について、その時々の様々な主体(朝廷、幕閣、一会桑、薩摩、長州、他の雄藩など)の対抗や連合関係を軸にして、どのような力学が歴史に働いたかを整理してある。専ら自身の著作を含めた先行研究を利用しており、内容的には再構築だが、例えばブローデルとそれを参照した複雑系のモデルを考慮したり、世界史の中に位置づけるグローバル・ヒストリー的アプローチを取り入れたりして、かなり上手くまとめられていると思った。途中のマトリクスや各勢力の意図を整理した表が理解を助けてくれる。明治〜西南戦争はやや物足りない。

  • 樋口佳之

    主権国家体制が規定する対等外交のルールを認めるか否かは、東アジア各国の命運を左右する問題となったのであるが、中国的な価値観から見た日本の周辺性はこの点で極めて有利/近世日本の国家は「双頭・連邦」国家と要約できるように、分権的かつ階層的に組織されていた。この国家は、隣国の清朝や朝鮮のような、科挙と朱子学を核とする一元的な組織と比べると、解体が容易

  • MUNEKAZ

    大変勉強になる概説書。複雑極まる幕末から維新までの流れを、「公儀」「集権」「脱身分化」をキーワードに読み解く。外圧からの国家防衛を動機とする「公儀」を求める運動は、ついに近世の体制を破壊し、現代の日本に繋がる「国民」や「民主制」を用意することになる。幕末の政局をすっきりわかりやすく説明しているわけではないが、その根底にある争点や各アクターのポジション取りを丁寧に追っているのが理解の助けになる。また幕府が生き残れていたかもしれないIfにも触れている。全て自明の道ではなく、手探りで新しい時代が生まれたのだ。

  • かんがく

    同作者の『明治維新とナショナリズム』を一般向けに再構築したような内容。単純化されがちな幕末史の政局がかなり緻密に描かれていて理解が進む。「公議」を目指す越前・薩摩を主軸に添え、江戸と京都の二地点に分けて考えることで幕末史のゴチャゴチャは整理できるかと。「公議」に加え、「脱身分化」「集権化」を維新の主要テーマに置いており、西南戦争まで通史がわかる構成で良い。ところどころ見ていると、幕府が残存するルートもいくらでもありえたなと思った。

  • 新父帰る

    主に安政5年の政変から西南内乱の20年を扱う。維新史の従来の手法、つまり活躍した特定の藩や個人そしてその敵役に焦点を当てるのでなく、様々な政治的事件で提起された課題を設定して、それをどのように解決していったかという過程を模索する、新たな試みと銘打って、世に問うた維新史。公武合体の成立と二つの王政復古。維新によってもたらされた世襲身分制の解体。西南の役に代表される内乱から言論戦へのバトンタッチ。本書は様々な政治的事件を扱うために、その展開が微に入り、細に入るので、目が離せなくって時々目が回って天を仰いだ。

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