Books

漱石 母に愛されなかった子

三浦雅士

User Review :3.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784004311294
ISBN 10 : 4004311292
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2008
Japan

Content Description

漱石を生涯苦しめたのは、近代の不安などではなく、母親の愛を疑うという、ありふれた、しかし人間にとって根源的な苦悩であった。現代を代表する文芸評論家が、漱石作品の読み直しを通じて批評の新たな地平を拓く。

【著者紹介】
三浦雅士 : 1946年青森県生まれ。評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

★
★
★
☆
☆

3.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
1
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
「愛されなかった子」という観点から漱石作...

投稿日:2021/04/16 (金)

「愛されなかった子」という観点から漱石作品を読解した書。 新書であることが災いしてか、どうも中途半端な印象が拭えない。

カーク さん | 東京都 | 不明

0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • たりらりらん

    三浦氏の漱石愛が伝わってくるような一冊。『吾輩は猫である』から『明暗』まで、その底流にあるのは、愛されなかったのではないかという漱石の母への思いであったとする。ここで「愛されなかった」(捨てられた)と「愛さなかった」(捨てた)という関係は、逆転するものでもあるという指摘が素晴らしい。『こころ』においては、先生やKが、被害者であると同時に加害者でもあるように、常にその関係は一義的ではないということをわかりやすく指摘してくれる。漱石の入門書としてもよいのでは。

  • 雨巫女。@新潮部

    《私‐図書館》幼少の話は、知ってましたが、作品に影響をうけてたなんて。

  • 五月雨みどり

    夏目漱石の生い立ちから「母に愛されなかった」思いを主題に綴ったのが漱石文学であると解説する異色の本。確かに作品の底に流れているのは漱石独特の人生観であろう。自分も里子に出された幼児期を過ごしたから、これは涙なくして読めなかった。だが。今まで漱石作品は何冊か読んだが自分にはあまり面白く読めず、アダルトチルドレンばりの心理描写があったかは記憶に無かった。うーん改めて読んでみるか漱石。

  • onaka

    漱石は母から愛されなかった子。じゃあ消えてやるよという論理、愛されていないなら、そう宣告される前に、先回りして愛されない自分を仮構する。それが自殺、狂気、笑いという形として現れ、世界に対する超然とした態度を通って、愛されていることに気づかない罪と復讐の物語や承認を巡る闘争の物語に至る。疑い得ない自分から考え始めるのでない、何者かによって考えさせられているのではという疑念が常に背景にある。自分の問題を出発点にして、人間全体に拡張し共感を生む、漱石の文学の真髄はここにある。漱石、読みたくなったよ!

  • タカヒロ

    三浦雅士氏の漱石論。母という縦糸で漱石を読み解く。作家論的な読みに偏っている部分もあるが、漱石と母、そして、漱石作品に通奏低音のように流れる死というテーマを掘り起こしてくれたという意味では自分にとって意義深い一冊。

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items