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白い土地 ルポ 福島 「帰還困難区域」とその周辺

三浦英之

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784420310901
ISBN 10 : 4420310901
Format
Books
Release Date
October/2020
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「どうしても後世に伝えて欲しいことがあります」
原発事故の最前線で陣頭指揮を執った福島県浪江町の「闘う町長」は、死の直前、ある「秘密」を新聞記者に託した――。

娘を探し続ける父親、馬に青春をかける高校生、名門野球部を未来につなぐために立ち上がったOB、避難指示解除後たった一人で新聞配達を続ける青年、そして帰還困難区域で厳しい判断を迫られる町長たち……。
原発被災地の最前線で生き抜く人々と、住民が帰れない「白い土地」に通い続けたルポライターの物語。

●目次
序章 白い土地
第一章 夕凪の海
第二章 馬術部の青春
第三章 「アトム打線」と呼ばれて
第四章 鈴木新聞舗の冬
第五章 ある町長の死 1
第六章 ある町長の死 2
第七章 ある町長の死 3
第八章 満州移民の村
第九章 フレコンバッグと風評被害
第一〇章 新しい町
第一一章 聖火ランナー
終章 一〇〇〇年先の未来

●著者プロフィール
三浦英之(みうら・ひでゆき)
1974年、神奈川県生まれ。朝日新聞記者、ルポライター。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第13回開高健ノンフィクション賞、『牙 アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で第25回小学館ノンフィクション大賞、『南三陸日記』で第25回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁氏との共著)で第18回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞。福島県南相馬市在住。




【著者紹介】
三浦英之 : 1974年、神奈川県生まれ。朝日新聞記者、ルポライター。『五色の虹 満州建国大学卒業生たちの戦後』で第一三回開高健ノンフィクション賞、『牙アフリカゾウの「密猟組織」を追って』で第二五回小学館ノンフィクション大賞、『南三陸日記』で第二五回平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞、『日報隠蔽 南スーダンで自衛隊は何を見たのか』(布施祐仁氏との共著)で第一八回石橋湛山記念早稲田ジャーナリズム大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kinkin

    隠語である白い土地のことを今まで知らなかった。誤解していたことを知ることが出来た。未だに帰宅困難者が大勢いる中での復興という言葉だけが独り歩きし、復興オリンピックの開催をしようとしていることに憤りを感じた。帰還困難区域・・に住む人々の仕事、家族、生活などが丁寧に取材されていること。特に前・浪江町長の取材は読み応えがあった。今も帰宅困難者で片付けられている人たちが多くいるのだなあ。冒頭帰還困難区域の地図が載っていることが読む上で大切なことを知った。図書館本

  • ちゃちゃ

    「白い土地(白地)」それは、原発事故による「帰還困難区域」の中でも、国が除染を進める「特定復興再生拠点区域」に含まれない、つまり将来的にも住民の居住が望めないエリアを指す。白地図上で予定が全く書き込まれない絶望を、それは表している。五輪開催を控えた当時、しきりに「復興五輪」が叫ばれた。しかし、故浪江町長の馬場氏は自らの死期を見据えながら答えた。政治家たちが見ていたのは結局“東京”でしかないのだと。思わず戦慄が走る。「福島の復興なくして日本の再生なし」当時の政治家たちの言葉が、枯れ葉のように軽く感じられた。

  • とよぽん

    なぜ東京電力は原発に「福島」という名称をつけたのか。立地する市町村名を正式な名称とする他の原発と違って・・・。この名称が福島県全体に風評被害をもたらしたのだから。浪江町長だった故 馬場 有(たもつ) 氏の首長としての苦悩は、あの震災と原発事故以前から始まっていたことも分かった。別の本で読んだ、浪江町津島地区赤宇木の「百年後の子孫たちへ」という記念誌のことも書いてあった。青木美希さんの著書とあわせて、国と東電の結託をまたも再確認できた。白い土地とは、何と辛い言葉!

  • サンダーバード@怪しいグルメ探検隊・隊鳥

    (2024-19)【図書館本】「白地」とは福島の帰宅困難地域の中でも特に放射線量が高く将来居住の見通しが立たない土地のこと。原発の事故から10年以上経ち、少しずつ町に戻って来る人達もいるが、まだ復興には程遠い。このルポの中でもメインとなるのは元浪江町へのインタビューであろう。かつて地域振興の為「喉から手が出る」ほど誘致をしたかった原発が自分達の故郷をこれほどまでに変えてしまうとは…。★★★★

  • hatayan

    『牙』『五色の虹』など硬派な作品を著す朝日新聞記者でもある著者が福島原発の周辺自治体町長や除染の現場を取材したルポ。安倍前首相は、原発が「アンダーコントロール」にあり東京五輪を復興の象徴として成功させると高らかに宣言しました。しかし、政府にとっての復興とは被災地の復興ではなく、首都東京、踏み込んでいえば東京電力の復興を意味するもの。帰れる見通しの立たない帰還困難区域を抱えた福島は東京のように前には進めず、再び東京に利用され消費されていく。政府や地元の書きにくい本音にぎりぎり迫ろうとした一冊です。

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