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奇書の世界史 歴史を動かすヤバい書物の物語

三崎律日

User Review :4.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784046043931
ISBN 10 : 4046043938
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2019
Japan

Content Description

本書で紹介する奇書とは、数“奇”な運命をたどった“書”物です。

「かつて当たり前に読まれていたが、いま読むとトンデモない本」
「かつて悪書として虐げられたが、いま読めば偉大な名著」

1冊の本を「昔」と「今」の両面から見ると、時代の流れに伴う価値観の「変化」と「差分」が浮かび上がります。
過去の人々は、私たちと比べ、「どこまで偉大だったか」「どこまで愚かだったか」――。
これらから得られる「教訓」は、私たちに未来への示唆を与えてくれるでしょう。

【目次】
魔女に与える鉄槌
 〜10万人を焼き尽くした、魔女狩りについての大ベストセラー
台湾誌
 〜稀代のペテン師が妄想で書き上げた「嘘の国の歩き方」
ヴォイニッチ手稿
 〜万能薬のレシピか? へんな植物図鑑か? 未だ判らない謎の書
野球と其害毒
 〜明治の偉人たちが吠える「最近の若者けしからん論」
穏健なる提案
 〜妖精の国に突き付けられた、不穏な国家再建案
天体の回転について
 〜偉人たちの知のリレーが、地球を動かした
非現実の王国で
 〜大人になりたくない男の、ネバーエンディングストーリー
フラーレンによる52Kでの超伝導
 〜物理学界のカリスマがやらかした“神の手”
軟膏を拭うスポンジ / そのスポンジを絞り上げる
 〜奇妙な医療にまつわる、奇妙な論争
物の本質について
 〜世界で最初の快楽主義者は、この世の真理を語る
サンゴルスキーの「ルバイヤート」
 〜読めば酒に溺れたくなる、水難の書物
椿井文書
 〜いまも地域に根差す、江戸時代の偽歴史書
ビリティスの歌
 〜古代ギリシャ女流詩人が紡ぐ、赤裸々な愛の独白
月世界旅行
 〜1つの創作が科学へ導く、壮大なムーンショット


●三崎 律日:1990年、千葉県生まれ。会社員として働きながら歴史や古典の解説を中心に、ニコニコ動画、YouTubeで動画投稿を行う。代表作「世界の奇書をゆっくり解説」のシリーズ累計再生回数は600万回を超え、人気コンテンツとして多くのファンを持つ。

【著者紹介】
三崎律日 : 1990年、千葉県生まれ。会社員として働きながら歴史や古典の解説を中心に、ニコニコ動画、YouTubeで動画投稿を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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『 奇書の世界史 』 題名や表紙のインパク...

投稿日:2021/07/13 (火)

『 奇書の世界史 』 題名や表紙のインパクトに引っ張られそうですが、さまざまな感覚にまっすぐに向き合えて良かったです。奇書を紹介する本としては奇しいところはなく、明快な内容でわかりやすく、明確な意思で世界の歴史的な書物の数々を伝えてくれている。読み終わった後も、当時の時代背景と書かれた文字の与える影響についてや、言葉を受けとめる姿勢等、いろいろと考えさせられる。後世に残り続けることで「異端の発想」がいつのまにか「偉大な発想」へとなったりすることや、「時代の変遷に伴う価値観の変化の浮かび上がり」について語るところなど興味深かった。見出しの拡大化やページの色分けや扉のイラストの挿し込み等で、見た目が飽きない工夫も為されている。ところどころに配置された言葉も、内容に合わさって響いてくる。「なにが不可能かを断言することは難しい。昨日夢だったことは、今日の希望であり、また、明日の現実でもあるのだ。」読んでいて、だんだんとイメージが広がる印象も持てたり。「地球は人類のゆりかごだが、いつまでもゆりかごの中に留まってはいないだろう。」いくつもの刺激的な発想に触れて、自分の中にも何か新しい案が出てきそうな思いが持てたりして、楽しめました。

seigo-hk さん | 長崎県 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • へくとぱすかる

    かつて迫害されてきた著作の復権と対比させながら奇書を紹介。コペルニクスやルクレティウスなど、歴史の中で評価が一変したことは大きな教訓とするべきだろう。日本も例外ではなく、第二次大戦を境に、価値観も人生観もちがう世界になった。解説にもあるように、過去の人々を現代人と同一視することは誤り。「こんなにも私たちとちがう」のである。さて、『ビリティスの歌』『月世界旅行』は全訳が容易に読めるし、『ヴォイニッチ手稿』もネットで公開されている。『台湾誌』はどうかな?

  • 徒花

    まあまあ。タイトルや装丁のイメージから、もっもっとぶっ飛んだ奇書を想像してたんだけど、思ったよりも普通というか、マトモな本が多かった印象。まあ、タイトルに世界史とついているし、なにかしら教養というか、期初を通じて役に立つものを提供するという意義があったせいはあるかもしれない。役に立ってしまう、というのもちと問題なのかもしれない。

  • hit4papa

    著者曰く、奇書を通して昔と今の「価値観の差分」を探る事に挑戦するものだそうです。奇書研究家としてニコ動やYoubeへ動画投稿を行っている著者。アカデミアの研究者とは異なり、物好きが高じて本をまとめあげたということになりますか。執筆者が趣味の人となると内容の真偽に疑問符をつけてしまいがちですが、読書量にうらうちされた著者のコメントは納得性の高いものです。ファンが多いのも宣なるかな。研究者による狭く深い専門書籍より、広く俯瞰して見る事のできる本書の方が、手軽な分だけ間口が広く興味をそそられる方が多いでしょう。

  • HANA

    奇書とされるものは数多いけど、本書で集められたものは時代の変遷によって奇書となった物が中心。紹介されている本は「台湾誌」とか「ヴォイニッチ手稿」とか「穏健なる提案」とか、読書を趣味とする者にとっては割と常識に属するものが多いんだけど。ただその紹介も単に本の内容ではなく、本自体を巡る反応を紹介しているのが面白い所。ヴォイニッチ手稿の解読の歴史等初めて知ったし、野球害毒論も極めて面白い。52Kの超電導や軟膏とスポンジは科学を巡る論争は何時の時代も変わらないのを実感できるし。様々な本を巡る雑学、面白かったです。

  • ままこ

    タイトルに興味を引かれた。さまざまな分野の“数奇な運命を辿った書物”がずらり。文献を照らし合わせながら、うまい具合に噛み砕かれた解説が分かりやすい。小難しそうで斜め読みしようとしてた話も、読み始めたら意外と面白かった。「武器軟膏」って何?って思ったらその内容にビックリ。時代によって常識は変化するんだなと改めて感じた。過去の書物を紐解き知的好奇心を刺激する、奇書の奥深い世界を堪能。

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