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骨を撫でる

三国美千子

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784103526629
ISBN 10 : 4103526629
Format
Books
Publisher
Release Date
June/2021
Japan

Content Description

「人間人間うるさいな」素行が悪うて、金借り倒して。しりぬぐいは全部親や。やってることは人間の屑や。屑以下や。土地と血縁に縛られしぶとくしたたかに生きる者たちの姿を浮き彫りにする表題作と、早熟な子供たちと隣家の謎の少女との性と生の目覚めを、圧倒的筆力で繊細に描き出す「青いポポの果実」を併録。

【著者紹介】
三国美千子 : 1978年大阪府生まれ。近畿大学大学院文芸学研究科修了。2018年『いかれころ』で第50回新潮新人賞受賞。2019年同作で第32回三島由紀夫賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイト

    初めましての作家さん。『骨を撫でる』あらすじ通りの話だった。どこにでもあるお金に執着する人達。帯の言葉は読んで何となく分かった。『青いポポの果実』えー!同じ作家さんが書いたとは思えない作風だった!覗いていたのに覗かれていた家族。【ポポ】て隠語?大人の階段登る少女の話·····

  • クリママ

    2編の中編。表題作は登場人物の名こそ違うものの「いかれころ」の続編か。ただ「いかれころ」は4歳児の率直な目線で書かれ、河内弁とともに農村の旧家の息苦しさを見事に表していたが、こちらは凡庸だった。「青いポポの果実」は純文学の領域か。自分を僕と呼ぶ小学校5年女の子と1年生の妹。性に関する生々しいその見聞きしたこと、体験への言葉があまりに賢すぎる。家族も隣家も先生も異様だ。大人になってからの部分で文章も平易になって、やっと長女の屈折した思いとわかり安堵する。印象深い作品であるものの、どう受け止めたものか。

  • よこたん

    “止めときて私、せんど言うたのに” 古い台所の、流し台のボウルの中に干しエビが沈む素麺のつゆの、ちょっと甘めの匂い。私にとっても実家の匂いの一つである。母屋、分家、暮らす場所は離れても、身体は土地に絡め取られ、どこへも行けず、近所の好奇の目も煩わらしい程に光る。どもしゃない身内と、それを助長させて今まで来てしまった家族。程度の差はあれ、まあどこにでも転がっている話。大阪外環状線、PL病院は実在。羽日ヶ丘はたぶんあの辺りか。表題作は『いかれころ』の近所のよう。「青いポポの果実」全く毛色が違っていてビックリ。

  • ぷく

    背筋からぞわぞわと得体のしれないものが這い上がってくる。あまりの不快感に途中で投げ出したくなる。それでも私は 見届けないと と思う。私が見届けなかったら誰がふき子の骨を撫でさすってやれるのだと思う。どこかにある、いや、どこにでもある、同じ水を綿々と飲み続けてきたもの同士のつながり。煩わしく重すぎる縁。幼いころのマウントはいくつになっても逆転することはなく、それはただ憂うためだけのもので、ため息と一緒にまたその土地に降り積もる。気が付いたら骨は曲がっている。泥に足を取られ、誰かに撫でられる日を待つしかない。

  • 練りようかん

    町田氏の帯が魅力的だ。土地と家族の社会関係が題材で著者1作目に読了した『いかれころ』は昭和の少女視点だが、表題作は2020年50才の長女視点。比較して方言が少ない代わりに人間が持つ粘性の狡さを強く感じ、家父長制の犠牲者の顔をしていたほうが得策“楽な方へ楽な方へ”、主人公の自覚が象徴的で印象付いた。母のかわいがりが弟を腐らせ、婿養子をとり分家した主人公の尻拭いは続き、両親が死ねば全て弟に持っていかれる。でも主人公の骨の変形に気づくのは弟。持ち回り制かと思う自分のせいという後ろめたさが骨に重なる。余韻が深い。

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