Books

怪異とは誰か 怪異の時空

一柳廣孝

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784787292414
ISBN 10 : 4787292412
Format
Books
Publisher
Release Date
December/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

芥川龍之介や三島由紀夫、村上春樹、川上弘美らのテクストと、天皇制・植民地・ナショナリズムといったテーマが交差するとき、そこには“他者”としての怪異が浮上し、私たちを恐怖に陥れる。亡霊、ドラキュラ、オカルト、ノスタルジー、出産などの分析をとおして、怪異が近代における文化規範の合わせ鏡であることを示す。

目次 : 実話怪談にとって「怪異」とは誰か:黒木あるじインタビュー/ 第1部 怪異の機能(表現システムとしての“怪異”とノスタルジア―一九二〇年代の文学的想像力と「他者」の変容/ 皇の奇跡―戦間期地域社会における“瑞祥”言説をめぐって/ 弱者のために怨む―川村孤松『廻国行脚怪談百物語妖怪研究』について)/ 第2部 “外部”のまなざし(芥川龍之介の文学と「世紀末的な不安」―地震・帝国・怪異/ 占領地に現れた“幽霊たち”―縮図としての火野葦平「怪談宋公館」/ わたしたちのドラキュラ―横溝正史の『髑髏検校』と帝国主義)/ 第3部 “亡霊”たちの現在(三島由紀夫とオカルト言説―「二・二六」表象をめぐって/ “喪主”としての語り―村上春樹「七番目の男」から/ ナラティヴの亡霊、あるいは川上弘美「花野」の亡霊論(hantologie) ほか)

【著者紹介】
一柳広孝 : 和歌山県生まれ。横浜国立大学教育人間科学部教授。専攻は日本近現代文学・文化史

茂木謙之介 : 埼玉県生まれ。国立小山工業高等専門学校非常勤講師。専攻は日本近代文化史、表象文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • へくとぱすかる

    「怪異の時空」3冊目の最終巻。3冊中もっとも難しい。ほぼ全編が文学テクストをテーマにしているからなのか、論文の随所に現れる文学的表現に、怪異そのものがあるとも感じた。それぞれの論が集積した結果として、近代が封じ込めてきた、人間の理性に収まらない部分、抑圧された感情が、「怪談」として語られることで、かろうじて表現されてきたのだ、ということが浮かび上がってくる。

  • 佐倉

    近代国家という枠組みに現れる“怪異”を小説や怪談などのテクストから読み取る論文集。怪異とは誰か?父権社会にとっての女性、帝国にとっての植民地や敵国、貧者にとっての上流階級、現在から見る過去と、怪異に様々な他者が投影されていることを示す論考が興味深い。とりあげられるケースには多少の差はあれど差別が隠されている。黒木あるじが掲載を取り止めたネタなど“怪異の背後に差別的な歴史があること”が忘れられるようなケースもある。それへの対応として黒木あるじは土地の歴史と向き合うという事を語っていたのが興味深い。

  • qoop

    怪異に仮託して誰が何を語るのか、怪異を表象する語り手を考える上で欠かせない論点だが、本書は近現代人の心性がどう怪異の中に漏出しているかを多面的に論じている。中では、怪談実話好きとして読んでおくべきと思わされた黒木あるじ氏へのインタビュー、近代国家の周縁でありながら中心を主張する戦前日本の矛盾を指摘した編者の〈皇の奇跡〉、恐怖以外に怪談を成立させる種と実を示唆していて興味深い岡田康介氏〈喪主としての語り〉などが印象に残った。

  • mittsko

    「怪異怪談研究会」(2012年8月〜)の最初の成果シリーズ「怪異の時空」全三巻の最終巻。なんか変な表題だが、どうやら「外部」の「他者」としての怪異を問題化しようとしているらしい。怪異として外部から現れる他者とは誰なのか、と。なるほど。そして集められた論考は、本研究会の性格を反映して、毎度ながら文学研究がほとんどですね…(^^)/ ※ 個人的には、グサッと刺さってくる論考は、本書ではみつからなかったです(疲れはてた状態で読んでしまったからかもしれないです… 茂木さん、ごめん)

  • 396ay

    めちゃくちゃ面白い。じっくり読みたい

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items