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あなたを想う花 下

ヴァレリー・ペラン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784152102324
ISBN 10 : 4152102322
Format
Books
Publisher
Release Date
April/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ヴィオレットが管理する墓地は美しい。通路には樹齢百年になる菩提樹が並んでいて、多くの墓が花で飾られている。誰も訪れなくなった墓が淋しく見えないよう、ヴィオレットが花を手向けているから。墓地管理人の仕事は、そこに眠る者たちの世話をするということなのだ。ある日、ジュリアンという警視が母親の遺言をもって突然やってきた。母親が、家族には秘密で愛人と同じ墓に入ると約束していたのだという。50歳を間近にして、何度も絶望に襲われ、新しい人生をあきらめていたヴィオレットにとって、この男女の物語は大きな衝撃を与える。花が新鮮な水で生き返るように、彼女の人生もまだ終わってはいないのだ、と―。

【著者紹介】
ヴァレリー・ペラン : 1967年フランス生まれの作家・脚本家。映画「男と女」の監督クロード・ルルーシュのパートナー。「男と女」の53年後を描いた映画「男と女 人生最良の日々」ではルルーシュと共に脚本を務めた。2015年に作家デビュー。『あなたを想う花』は第二長篇にしてフランスで多数の文学賞を受賞し、ベストセラーとなった

高野優 : 早稲田大学政治経済学部卒。フランス文学翻訳家

三本松里佳 : カナダ・ケベック大卒。フランス語・英語翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro

    上下巻、700頁弱、完読しました。墓地管理人家族の物語なので、地味な作品かと思いきや、ラブロマンス、家族喪失、ミステリと波乱万丈の物語、フランスで130万部売れたのも納得です。今年の翻訳物MyBEST、年間BEST20候補となっています。著者の夫が有名な映画監督(「男と女」のクロード・ルルーシュ )ということもあり、本作は近々映画化されるのではないでしょうか❓ https://www.hayakawabooks.com/n/nc7af141e8ab9

  • NAO

    下巻では、ヴィオレット、夫フィリップ、ジュリアンの母親の恋物語と、3つの話が入り混じって描かれていく。そして、身勝手で浮気者だったフィリップとヴィオレットの過去が明らかになっていく。親子関係、夫婦関係、人を愛するということ。その複雑さと、うまくいかない場合のあまりにも悲惨な状況。かなりシビアなことも描かれているが、ヴィオレットには残された人生への希望が感じられる。そのため、物語全体が、パステル画の表紙絵のように優しい雰囲気にあふれている。

  • 天の川

    面白くて一気読み。上巻はヴィオレットの一人語りだったが、語り手が複数人になり、それまで見えていた景色が大きく変わる。墓地には実に様々な愛の姿がある。夫以外の男性の墓に入ることを望み・望まれたイレーネの日記がヴァイオレットの背中を押し、娘の死の真相を解明しようと奔走するクズ男の夫の胸の内はヴィオレットに見えることはない。一人の孤独な女性の人生の喪失と再生を軸とした、幾重にも重なる愛の物語だった。作者の夫はクロード・ルルーシュ。共に製作に携わっているだけあって、美しい映画を観ているような気持ちになった。

  • pohcho

    上巻ではまったく語られなかったヴィオレットの夫の心の内が明らかになり、クズ夫のイメージが変わった。彼には彼なりの愛の形があり苦しんでいたんだね(それでもひどい男には変わりないと思うが)愛する一人娘と再会した夫。二人の死の謎をめぐるミステリーは悲しい結末だったが、ヴィオレットが真相を知ることはない。でも、悲しみを乗り越えて、新たな人生に一歩踏み出すことができたのはよかった。さまざまな墓碑の詞も心に染み入るようだった。

  • Bashlier

    下巻はフィリップによる事件解明。真相は救いようのないモノです。ところで、原題"Changer l'eau des fleurs"を訳すと、「花瓶の水を変えよう」。「お花(=人)は水(=環境)を変えてあげれば、美しく咲く」というメッセージに読み取れます。フィリップは終始母親の歪んだ愛情から抜け出せませんでした。最後、真実をヴィオレットにあえて伝えなかったのは、新しい綺麗な水のなかで幸せに生きてほしかったからでしょうか。よどんだ水(=俺)からは抜け出して、と。あなたを想う花として、生まれ変わりたかったのかな。

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