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ISBN 10 : 4622085852
Content Description
極限状況下で人々はどのようにふるまったのか。自由や優しさや善良さとは何なのか。第二次世界大戦の終結前後までに執筆あるいは構想されたルポルタージュ・小説・戯曲を収載する。独ソ戦末期に赤軍記者としてナチの絶滅収容所を報じた「トレブリンカの地獄」。母を虐殺された故郷ウクライナを舞台に、ホロコーストがテーマの世界最初の作品となった傑作小説「老教師」。男まさりの女性政治局員がユダヤ人集落で出産する日々をユーモラスに描いた出世作「ベルディーチェフの町で」。行きずりの情事を経験した兵士の二日間「女」。革命が空洞化し官僚主義がはびこるにつれ、過去と同じことを繰り返す人間の業を目にして、歴史は進歩するのか循環するのかと主人公が問う戯曲「ピタゴラスを信じるなら」。人はそれぞれが歴史を生きている。その希望や幻滅、想いを、死ぬまで表現しつづけた文学の軌跡は、『システィーナの聖母ワシーリー・グロスマン後期作品集』(齋藤紘一訳)へとつながっていく。グロスマンは社会主義国家建設に参加し、そのために努力しながら、やがて次第にスターリン体制批判へと転じていった。
目次 : 1 ルポルタージュ(ユダヤ人のいないウクライナ/ トレブリンカの地獄)/ 2 短篇小説(ベルディーチェフの町で/ 女/ 若い女と老いた女/ チェーホフの眼で/ 生/ 老教師)/ 3 戯曲(ピタゴラス派を信じるなら)
【著者紹介】
ワシーリー・グロスマン : 1905‐1964。ウクライナ・ベルディーチェフのユダヤ人家庭に生まれる。モスクワ大学で化学を専攻。炭鉱で化学技師として働いたのち、小説を発表。独ソ戦中は従軍記者として前線から兵士に肉薄した記事を書いて全土に名を馳せる。43年、生まれ故郷の町で起きた独軍占領下のユダヤ人大虐殺により母を失う。44年、トレブリンカ絶滅収容所を取材、ホロコーストの実態を報道する。次第にナチズムとソ連の全体主義体制が本質において大差ないとの認識に達し、50年代後半から大作『人生と運命』を執筆、60年に完成
赤尾光春 : 1972年神奈川県生まれ。大阪外国語大学外国語学部ロシア語学科卒業。同大学大学院修士課程修了、エルサレム・ヘブライ大学留学をへて、総合研究大学院大学博士後期課程文化科学研究科・地域文化学専攻修了、博士号取得。北海道大学スラブ研究センター学術研究員、大阪大学文学研究科助教等歴任後、現在、大阪大学、関西学院大学非常勤講師。専門は近代ユダヤ文学・ユダヤ文化
中村唯史 : 1965年北海道生まれ。東京大学大学院人文科学研究科露語露文学専攻博士課程退学、90‐92年モスクワ大学留学。93年より山形大学教養部講師、同人文学部准教授、教授をへて、2015年より京都大学大学院文学研究科教授。専門はロシア文学・ソ連文化論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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藤月はな(灯れ松明の火)
読了日:2017/08/29
syaori
読了日:2018/07/02
キムチ27@シンプル
読了日:2024/08/22
ヘラジカ
読了日:2017/07/05
miyu
読了日:2017/11/10
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