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宗教の起源 私たちにはなぜ神が必要だったのか

ロビン・ダンバー

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784826902489
ISBN 10 : 4826902484
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2023
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

科学が隆盛を極める現代においても、宗教は衰えるどころかますます影響力を強めている。ときに国家間の戦争を引き起こすほど人々の心に深く根差した信仰心は、なぜ生まれたのか?そして、いかにして私たちが知る世界宗教へと進化したのか?「ダンバー数」で世界的に評価され、「人類学のノーベル賞」と称されるトマス・ハクスリー記念賞を受賞した著者が、人類学、心理学、神経科学など多彩な視点から「宗教とは何か」という根源的な問いに迫った、かつてないスケールの大著。

目次 : 第1章 宗教をどう研究するか/ 第2章 神秘志向/ 第3章 信じる者はなぜ救われるのか?/ 第4章 共同体と信者集団/ 第5章 社会的な脳と宗教的な心/ 第6章 儀式と同調/ 第7章 先史時代の宗教/ 第8章 新石器時代に起きた危機/ 第9章 カルト、セクト、カリスマ/ 第10章 対立と分裂

【著者紹介】
ロビン・ダンバー : オックスフォード大学進化心理学名誉教授。人類学者、進化心理学者。霊長類行動の世界的権威。イギリス霊長類学会会長、オックスフォード大学認知・進化人類学研究所所長を歴任後、現在、英国学士院、王立人類学協会特別会員。世界最高峰の科学者だけが選ばれるフィンランド科学・文学アカデミー外国人会員でもある。1994年にオスマン・ヒル勲章を受賞、2015年には人類学における最高の栄誉で「人類学のノーベル賞」と称されるトマス・ハクスリー記念賞を受賞。人間にとって安定的な集団サイズの上限である「ダンバー数」を導き出したことで世界的に評価される

小田哲 : 翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かんやん

    宗教というミームは、なぜかくも普遍的なのか?そして、なぜかくも変化・分裂してゆくのか。社会脳仮説とダンバー数150(安定的社会関係の認知的な上限)を使って、社会集団の拡大・階層化に伴う宗教の進化(アニミズム→シャーマニズム→教義宗教)を説明してゆくのは、いつものダンバー先生の方法。トランスや神秘体験のような個人的体験が言語により共有され、やがて同期する儀式を行うようになると集団結束(他集団に対する)が生じる。社会が複雑になった結果、安定を得るために高みから道徳を解く神の信仰を「進化」させた、と。

  • 原玉幸子

    著作名は忘れてしまったのですが「ダンバー数」との定義が衝撃的だった強い印象で、進化心理学者の著者を覚えていました。そして、敢えて『日本社会の歴史』を読んだ上での本書の選択に、自分を褒めてあげたい気がしました。本書は学術的なのですが、初めての用語「メンタライジング」が、小説での、げげっという驚きの展開そのもので、「ダンバー数」を基に宗教の起源を社会(生物)学的に解説されると、凄いっと感激します。学術書を不謹慎に? いえ、小説っぽい驚きの展開がある本書の様な学術書こそが本物なのでしょう。(◎2024年・秋)

  • 特盛

    評3.8/5。サル研究から進化心理学に展開したオックスフォード教授、ダンバー氏による宗教の起源に関する考察。トランス状態による心理変容=霊的な存在の確信と、人の心を想像する機能、この二つが宗教を生んだと著者は言う。宗教は共同体の団結・生存力を高め、またダンバー数で有名な、組織規模150人のガラスの天井を破る。シャーマニズムから、高みの霊的世界から臨む神、教義宗教まで共同体に果たす価値。主張は突き詰めれば、全部仮説だ。その意味で好き嫌いの物語だろうが、そういう側面はあっただろうなと説得力を感じる。

  • vy na

    人類の進化上、宗教は必要なものだった。自分や他者の意識以外に「何か」があると想像する能力があったから。人と繋がることで、帰属意識を得て共同体の一員という感覚を持ち、同じ「何か」を共有できる者同士が同じルールの下でどのように振る舞うかわかっている安心感。その「何か」を想像して原因とし、相手の気持ちや解釈を共有する。それが進化の上で人が得てきたものなのだろう。何かは「宗教」となり、意味がなされて人をまとめる力となる。

  • エジー@中小企業診断士

    社会脳仮説=種ごとの典型的な社会集団の大きさと脳(新皮質)の大きさには相関関係がある。ヒトの新皮質で計算すると概ね150(ダンバー数)。宗教とは「遠隔グルーミング」、エンドルフィン分泌を促す行動。メンタライジング=相手の意図を理解する能力。通常の大人で三次から六次の幅がある。(六次以上をこなせるのは20%)宗教は現生人類の出現した20万年前より以前にはなかったと推測。宗教は大規模社会へと拡大した結果生じるストレスに対処する手段として進化した。宗教は共同体の結束のための解決策でありその基盤は神秘志向である。

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