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コンパートメントno.6

ロサ・リクソム

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784622097952
ISBN 10 : 4622097958
Format
Books
Publisher
Release Date
July/2025
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

ソ連崩壊直前の春。フィンランド人留学生の寡黙な少女がモスクワからウランバートルまで、シベリア鉄道で旅をする。同室には建設現場へ出稼ぎにいく中年男性。共通点がない二人は寝食をともにし、互いの過去を打ち明け、衝突もしながら、さまざまな文化圏が混在する大陸を移動する。社会主義的なディテールや車窓の針葉樹林を映像的な文体で描き切り、フィンランディア文学賞を受賞。13ヶ国で愛読される珠玉のロードノベル。

【著者紹介】
ロサ・リクソム : 1958年フィンランドのラップランド州ウリトルニオ生まれ。ヘルシンキ、コペンハーゲン、モスクワで人類学を学ぶ。デビュー作『一夜の停留所』でJ.H.エルッコ新人賞を受賞。のちのシベリア鉄道の旅が結実した『コンパートメントNo.6』でフィンランディア賞を受賞

末延弘子 : 1975年北九州生まれ。フィンランド国立タンペレ大学フィンランド文学専攻修士課程修了。フィンランド人作家レーナ・クルーンと出会い、翻訳の仕事を始める。2007年度フィンランド政府外国人翻訳家賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    映画が大好きなので図書館で原作となったこの本を見つけた時は小躍りしそうになりました。育ちも生まれも違う若者同士の不器用ながらもかけがえのない交流を描いた映画に対し、こちらは野蛮で饒舌な労働中年男性と様々な屈託を抱えて留学した若い女性のぎこちない遣り取りとなっている。読んでみると本書で喋るのは、男だけで少女の方は地の文では最後以外は全然、喋らない。その為、二人の会話は一方的なやり取りのようにも思える。しかし、少女は男の言葉に耳を傾けていており、その言葉が彼女にとっ内省と救済に通じていたから双方向的と言える

  • kibita

    シベリア横断鉄道の一室に居合わせたフィンランド人少女と粗野な中年労働者ロシア人男。会話はほぼ彼。「この国には百を超える民族がいる。そのうちのひとつ、もしくは三つくらい滅んでもたいしたことはねえ」ロシア人作家でない為か様々な民族の蔑みを口にする男に今現在の不条理な侵攻を続けているロシアの思想的な物を感じ…NATOに加盟して、やっと一息つけたというフィンランド。現在の状況が違っていれば「何もかもが違う2人のロードノベル」として楽しめたかもしれない。情景描写が良いだけに。80年代、ソビエト連邦崩壊前。映画あり。

  • ぐっちー

    崩壊直前のソビエトのモスクワからウランバートルまで、フィンランド人少女が旅をする。コンパートメントの同室者は、粗暴で野卑なロシア人の男。下衆な態度と口調で、野蛮な話を一方的に話す姿は、プーチン政権のロシアと容易に重なる。無口な少女の心象風景と寂れた車窓と男の下世話な話が折り重なるその中に、奇妙に切ない断片が雪のように舞い散る。その美醜の対比が、ああ、文学ならではだな、と実感する。巻末の解説を先に読まなければ、受け取るものはもっと少なかったかもしれない。フィンランドとロシアの関係をもっと知りたくなった。

  • topo

    粗野で多弁な男と寡黙な少女が、シベリア鉄道で同室になることから始まる物語。 風景の写実的な描写と詩的な描写が交錯する狭間に男の荒い会話が綴られ、そのコントラストが不思議と心地よい。 下品な中にふと覗く男の鋭い言葉が心に響く。

  • 田沼とのも

    旅情感たっぷり。 しかもシベリア鉄道をモスクワからウラジオストックを経て、ウランバートルまで。行ってみたいけど、旅慣れた人でもなかなか手を出せないエリア。 ロシア、ソ連とフィンランドの冷たく悲しい歴史を知っていれば、本作をより深くより楽しめるのだろう。ガサツで暴力的だけど悲哀漂うロシア男と、ただただ無口な北欧少女が過ごすコンパートメントNo.6。二人の心が通うのか通わないのか、少女の無口さが読者の想像をかき立てる。映像化されてるみたいなので、そちらも見てみたい。

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