レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ

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イワンの馬鹿

レフ・ニコラエヴィチ・トルストイ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784751523827
ISBN 10 : 4751523821
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2006
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

「戦争と平和」などの代表作を遺した世界的文豪・トルストイの良質な短編を集めたシリーズ。本巻は「イワンの馬鹿」を収録。忘れかけていた「人として大切にしたいこと」を思い出させてくれる民話集。

【著者紹介】
北御門二郎 : 1913年、熊本県生まれ。東京帝国大学(現東京大学)英文科中退。熊本県水上村湯山にこもり、農業を営むかたわら、トルストイの研究・翻訳にその人生を捧げた。1979年、「トルストイ3部作『アンナ・カレーニナ』『戦争と平和』『復活』」(東海大学出版会)の翻訳により、第16回日本翻訳文化賞を受賞。2004年、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア

    元はロシアの民話なのだろう。トルストイ作とはいうものの、フォークロアの趣きを強く残している。そて、これもまた3人兄弟の物語である。そして、これまた役立たずだと思われていた三男だけが成功する。例は枚挙にいとまがないが、巷間よく知られたところでは、『3匹の子豚』や『長靴をはいた猫』などがその典型である。若干違っているのは、本作では三男が役立たずどころか、みんなに「馬鹿」と思われているところか。長男のセミヨンは軍人として力(権力)を、次男のタラスはお金を自身のアイデンティティとしている。そして、三男坊の⇒

  • ☆よいこ

    児童書。裕福な百姓に4人の子供がいた。長男セミヨンは軍人、権力が好き。次男タラスは商人、富を求める。三男イワンは馬鹿で愚直、しなければならない仕事はなにがなんでもやり通す百姓。娘のマラーニャは唖(おし)だけど、怠け者が嫌い。老悪魔はこの家族をお互いに憎しみ合わせようと画策し、部下の3人の悪魔をそれぞれに送る。2人の兄は権力と金に踊らされ不幸になる。イワンは愚直にやり通し不幸を気にしない。とうとう老悪魔がでてきて、イワンにちょっかいを出すが…▽戦争について、働くということについて考えさせられる。

  • 新田新一

    『イワンの馬鹿』は、他の本で読んだことがあるのですが、トルストイの翻訳者として有名な北御門二郎の訳を読んでみたいと思いました。巻末には訳者の言葉やトルストイの詳細な年譜が付けられており、興味深く読みました。この有名な童話は、今の時代にも当てはまります。悪魔にそそのかされ、戦争や金儲けに精を出す愚かさが、厳しく批判されています。愚直に農業に励むイワンを見習うのは難しいのかもしれません。それでも、少しでもイワンの生き方に近づきたいと思いました。

  • Y2K☮

    有名な短編を北御門氏の訳で。イワンの考え方はあまりにも極端だし、最低限の自衛すらしない絶対的非暴力を肯定するのは難しい。でもいくら偉くて裕福でも食べ物がなければ生きていけない、という忘れがちな真実を思い出す端緒にはなる。衣・食・住は生活の基本。医療や交通機関なども含めたエッセンシャルワークへの敬意と報酬はもっと払われていい。あと本書のメッセージに「仕事以外の時間を充実させる」という視点を加えたらより現代向けにアップデートされると思う。論語、韓非子、マルクスのいいとこどりみたいなイメージで解決策を探りたい。

  • yumiha

    えっ⁉トルストイの作品だったの?という驚きから読み直した。小学生の頃に読んだ記憶では、イワンが王女様と結婚するところで終わっていたし、寓話的な物語として受け止めていたと思う。老悪魔がイワンやイワンの国の人々(もやっぱり馬鹿)に翻弄される後半もポイントだったのねん。「頭で働く方が得」という老悪魔に対して、「手にタコのない人には食べ残し」を与えるイワンの妹に共感した。その通り!第一次産業に従事する人達が、もっともっと評価されるべきと常々思う。

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