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聖ペテロの雪

レオ・ペルッツ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784336059529
ISBN 10 : 4336059527
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

1932年ドイツの寒村で、神聖ローマ帝国復興を夢みる男爵の秘密の計画とは?夢と現実、科学と奇蹟が交差する時、めくるめく記憶の迷宮がその扉を開く。

【著者紹介】
レオ・ペルッツ : 1882‐1957。プラハ生まれのユダヤ系作家。18歳でウィーンに移住。1938年、ナチス・ドイツがオーストリアを併合するとパレスティナへ亡命。ボルヘス、カルヴィーノ、グレアム・グリーンらが愛読した稀代のストーリーテラー

垂野創一郎 : 1958年、香川県生まれ。東京大学理学部数学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • HANA

    従来のペルッツ作品とは異なり、歴史的事実の中に幻想が紛れ込むのではなく幻想が現実を侵食している。曖昧模糊としたな文章(いい意味で)がそれに輪を掛ける。ラストに至るまで二通りの解釈があるのも、内容もさることながらこの文体も関係してそう。内容も霧の中を彷徨うような読み心地がした。読みながら思い出したのはエーヴェルス『魔法使いの弟子』。法悦からの復讐みたいなのが底流に流れているからかな。こちらはヒッピー文化を先取りした様相もあるけど。あとタイトルが何とも絶妙。意味が分かった時には思わず声を上げてしまいました。

  • 星落秋風五丈原

    男爵は滅びた国の末裔がかつての「帝国」を復活させる未来を夢見るが、これもまたペルッツの他作品と同じく、願いは叶うが違う形で叶えられる。但しアムべルクが疑わしい以上結末も大いにいかがわしい。ところが、そのいかがわしい結末に近いことが現実に起こる。奇想天外な虚構は、実は最も過酷な現実と結びついていた。それぞれのキャラクターが立っていて「お気に入りのキャラをひとつ」は、人々に使われると見せかけて実は人々を操り、何事もなかったかのように、虚構と現実の間に降りつみ、晴天には痕跡すら消してしまう雪こそ「物語」の象徴。

  • YO)))

    表紙も中身も大変素敵。雪深い小村、神聖ローマ帝国の復興、科学による宗教的奇蹟の"復元"、謎めいたリケジョとの逢瀬…。これが回想であろうが夢であろうが、兎に角目覚めてしまいたくない、と、いつしか読者までもが村の内側の時間に囚われてしまう、かのような。

  • syaori

    面白いです。アムベルクは病院のベッドの上で目覚めます。医者は彼が汽車の乗り継ぎの駅で車に轢かれたのだといいますが、彼には汽車を乗り継いでマルヒン男爵の領地に到着した記憶がありました。ふと垣間見た大理石像を思わせる少年、美しいビッシュとの再開、現代における信仰の復活、それらのことは全て夢だったのか。それは謎として残されます。ただ、アムベルクは最後にその記憶を公には夢としてビビッシュの前から去っていきます。「夢のなかのものは、敵が取ろうにも取れない」という彼の言葉とビビッシュの美しい面影が印象深く残りました。

  • 河内 タッキー

    幻想小説かと思いきや、どちらかというと探偵小説のようだ。夢か現実か?それは読者に委ねられる。歴史家になりたかった医師、という主人公の設定が絶妙に話の鍵となる。

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