レイモンド カーヴァー / 村上春樹

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レイモンド カーヴァー / 村上春樹

User Review :5.0
(1)

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784124035315
ISBN 10 : 4124035314
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2010
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

没後20年、カーヴァー作品の真の姿が明らかになった。素朴にしてふくよかな、胸を打つ17篇。新発掘の完全オリジナル原稿による短篇集。背景を詳しく解説する訳者あとがきと資料も収録。

【著者紹介】
レイモンド カーヴァー : 1938年、オレゴン州生まれ。製材所勤務、病院の守衛、教科書編集などの職を転々とするかたわら執筆を始める。76年刊行の短篇集『頼むから静かにしてくれ』が全米図書賞候補、83年刊行の同『大聖堂』が全米批評家協会賞及びピュリッツァー賞候補となる。その独特の味わいの短篇作品はアメリカ文学界に衝撃を与え、後進の作家にも大きな影響を与えた。数々の短篇作品のほか詩人としての作品も多数。88年、肺癌のため死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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人間の弱さ、人生の敗北、諦め、無関心、出...

投稿日:2011/07/10 (日)

人間の弱さ、人生の敗北、諦め、無関心、出口のない苦しみ、アルコール依存症、不倫・・・。 『ささやかだけれど、役にたつこと』でパン屋が語る次の言葉にカーヴァーの登場人物たちに共通する性格が集約されている。 「あたしは邪悪な人間じゃありません。つまるところ、あたしは人間としてのまっとうな生き方というのがわからなくなっちまったんです。」 魔が差した・・・という言い方があるが、カーヴァーの作品の多くはある日のある事件やちょっとしたきっかけで魔が差して生活が壊れて行くという恐ろしい場面をたんたんと描写していく。 読んでいてつらく重い気持ちになることもあるが心の深いところまで響いてくる素晴らしい文学だ。 アメリカが抱える(現代日本も変わらない。)影を描いた素晴らしい短篇集。 ここに回答はないかもしれないが、悲しみをしっかりと見つめ、深く味わうことが大切なのかもしれない。

ユローヂィヴィ さん | 大阪府 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • kazi

    ミニマリズムと称される超切れ味重視の文体で一世を風靡したレイモンドカーヴァー。しかし、その文体の裏には超アグレッシブな強権的編集者ゴードンリッシュの編集があった。本作はリッシュによる大幅な改編を受けた初期短編集「愛について語るときに我々の語ること」の改編前オリジナル原稿です。作品そのものも面白いのだが、この辺の作品成立の経緯は非常に興味深いですね。私たち読者は「神」である作家がオリジナリティー創造性を発揮して、全ての創造物を自らの手でコントロールしていると思い込んでいるが、意外とそういうことではないのね。

  • 踊る猫

    個人的な繰り言を書けば、私自身酒を断って断酒会に通っている身なので断酒して小説を書くことを選んだカーヴァーの本気度がまざまざと伝わって来るかのような一冊となっているように思う。確かに冗長なところはあるかもしれないけれど、個人的にはこのくらいの緩やかさが好みなのでその辺り甲乙つけ難いと言える。死と生、人生の意味とはなにか……そういう問題を、軽やかな題材を扱いながら重く表現してみせるところが素晴らしいと思わされた。カーヴァーの作品、今後も村上春樹訳による全集を読んでいきたいと思わされた。なかなか奥が深い世界だ

  • 梟をめぐる読書

    編集の手によって作者の意に沿わない形での大胆な改変が施されていたことが死語明らかになった短編集『愛について語るときに我々の語ること』の、原文発掘オリジナル版。当時カーヴァーの小説を担当していたゴードン・リッシュによるカッティングがいかに熾烈なものであったかは、本文の量が『愛について〜』と比べて二百頁近くも膨れ上がっている、という事実だけで十分だろう。それを糾弾するつもりはない。なぜなら『愛について〜』の出版によって、カーヴァーは初めてカーヴァーに「なった」のだから。

  • 春ドーナツ

    「静けさ」は印象深かった。関連性、というか主人公の内面描写が省略されているので物語の余韻が言語化できない。わからないなりに、狩猟話に潜むサジェスチョンの存在、その場所の当たりはつく。グレイス・ペイリーの言葉を借りるなら、床屋で「最後の瞬間のすごく大きな変化」があったようだ。言わずもがなと心得ている男たちと不条理に惑い怒りをあらわにした男がいる。主人公はそのどちらにも属してはいない(と思う)。けれども彼にとって、何かが人生のターニングポイントになったのだ。回想することで、見えなかったものが見えるようになる。

  • 北風

    大聖堂が大変感銘を受けたので、GWの楽しみに読んだのですが、まさかのウツ展開で気が滅入って、途中で別の本を読みました。最初はよかったんですが、途中から不倫、浮気、暴力、死体……、まさかこんな気が滅入る短編が立て続けに来ると思っていなかったので、うつうつしてしまいました。最後は流し読みしてしまった。ああ、世の中にはこんな不幸と衝動と怒りと悲しみがあるのだと突きつけられる。他人という存在と暴力に、どうしようもなく苦しめられた。

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