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掃除婦のための手引き書 --ルシア・ベルリン作品集 講談社文庫

ルシア・ベルリン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784065273074
ISBN 10 : 4065273072
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

死後10年を経て再発見された、奇跡の作家。
大反響の初邦訳作品集、ついに文庫化!

2020年本屋大賞〔翻訳小説部門〕第2位
第10回Twitter文学賞〔海外編〕第1位


毎日バスに揺られて他人の家に通いながら、ひたすら死ぬことを思う掃除婦(「掃除婦のための手引き書」)。
道路の舗装材を友だちの名前みたいだと感じてしまう、独りぼっちの少女(「マカダム」)。

波乱万丈の人生から紡いだ鮮やかな言葉で、本国アメリカで衝撃を与えた奇跡の作家。
大反響を呼んだ初の邦訳短編集。

【著者紹介】
ルシア・ベルリン : 1936年アラスカ生まれ。鉱山技師だった父の仕事の関係で幼少期より北米の鉱山町を転々とし、成長期の大半をチリで過ごす。3回の結婚と離婚を経て4人の息子をシングルマザーとして育てながら、学校教師、掃除婦、電話交換手、看護助手などをして働く。いっぽうでアルコール依存症に苦しむ。20代から自身の体験に根ざした小説を書きはじめ、77年に最初の作品集が発表されると、その斬新な「声」により、多くの同時代人作家に衝撃を与える。2004年逝去

岸本佐知子 : 翻訳家。2007年、『ねにもつタイプ』で講談社エッセイ賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO

    短篇集です。かなりの評判になっているので手に取りました。アメリカの比較的下層階級であるような物語なのですがカラッと乾いたような感じの印象を与えてくれます。そのような気候なのかもしれません。また第三者的な感じで書かれているからなのでしょうか。ある意味自分の日常の仕事や生活などをうまくエッセイ風に書かれている気がします。少し異なるのでしょうが、ヘミングウェイの短編を思い出しました。

  • アキ

    最近読んだ著者の「すべての月、すべての年」がとても良かったので、新しく出た文庫本で再読した。一度目では入り込めなかったが、再読で彼女の人生に没入するように耽読した。一人称で、または三人称で、時には登場人物の一人として彼女の実体験を元にした刑務所やアル中、ガン末期などのきつい状況にいる物語に、この小説の中の言葉「魂の気高さ」を感じさせる文章が直接心に訴えてかけてくる。『さあ土曜日だ』の中の文章「犯罪者の頭と詩人の頭は紙一重だ。どちらもやっていることは、現実に手を加えて自分だけの真実をつくり出すことだから」

  • はっせー

    海外文学をこれから読もうと思っている人にぜひ読んでほしい本になっている。ルシアベルリン。この本を読む前まで知らない作家であった。読んでみての感想は作品自体が万華鏡のようなものであった!ルシアベルリンさんの実体験とフィクションを混ぜた短篇集となっており、その曖昧に混ざり合っている感覚がとても心地よい。そして万華鏡のような作品と思った理由は作者自身が多面的であり同じ人の人生を描いた作品なのに印象が全然違うのである。これは初めて万華鏡をみたときの感想と似ている。またルシアベルリンさんの本が読みたい!

  • tsu55

    短いセンテンスを積み重ねていく、簡潔でスピード感ある文体が気に入った。もとの英文が良いのか、訳者の手柄なのか、あるいは、その両方なのだろうか。 自己の体験をもとにした話でありながら、内面描写をぎりぎりまで削っているので、なにか乾いた印象を受ける。それも気に入った。

  • 道楽モン

    順風満帆とは程遠い人生に、類まれな感性と文章技術をまぶして出来上がった、極上の短編私小説集。ルシア・ベルリンの文章は、市井のささやかな人生を容赦なく攻撃するが、同時に慈しみと諦念と慈愛に満ちたものだ。何度でも味わえる、その度に新たなる発見が可能な(読み手の成長を映す)、そんな宝物に等しい優れた短編集だと、私は思っている。彼女を再発見したアメリカの出版界と、それを翻訳した岸本佐和子さんに足を向けて寝られない。私は残りの人生で、おそらく何度もこの本を読み返すことになるだろう。

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