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バイリンガル・エキサイトメント

リービ英雄

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000613255
ISBN 10 : 4000613251
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2019
Japan

Content Description

多言語的高揚感がいざなう新しい日本文学論!東アジアと越境のことばを巡る閻連科、多和田葉子、温又柔との豪華な対談を収録。

目次 : 1 その直後の『万葉集』―三つの講演(その直後の『万葉集』/ 中国大陸、日本語として/ 新宿のlight)/ 2 多言語的高揚感―三つの対話(…は対話者)(大陸のただ中、世界の物語を探して…閻連科/ 危機の時代と「言葉の病」…多和田葉子/ 東アジアの時間と「私」…温又柔)/ 3 路地裏の光―島国と大陸をめぐる十五のエッセイ(奈良の京、ワシントンの涙/ 翻訳と創作/ 最後の下宿屋/ 書き言葉に宿る「表現」の力/ 古い日本語の「新しさ」/ 大和の空の下―わが師中西進/ 沈黙の後、生まれる表現―東北を旅した記憶/ 日本語と温泉/ 草原で耳にしたノーベル賞/ スノビズムをやめよう/ 『アメリカ感情旅行』の声/ 清明上河図/ 黄河の南、方言の細道/ 日本人が創った家/ 新宿の部屋の「こころの玉手箱」)

【著者紹介】
リービ英雄 : 作家、法政大学国際文化学部教授。1950年カリフォルニア生まれ。少年時代を台湾、香港で過ごし、67年に日本に初めて住む。プリンストン大学大学院博士課程修了後、プリンストン大学、スタンフォード大学で日本文学の教鞭を執る。82年万葉集の英訳により全米図書賞を受賞。89年から日本に定住。92年デビュー作『星条旗の聞こえない部屋』により西洋出身者として初めての日本文学作家となり、野間文芸新人賞を受賞。その後、9・11を題材にした『千々にくだけて』で大佛次郎賞、中国を題材にした『仮の水』で伊藤整文学賞、台湾を題材にした『模範郷』で読売文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • 踊る猫

    あらためて読み返すと実にリービ英雄はリベラルなバランス感覚を保ち、ありがちなオリエンタリズムを回避して誠実・真面目なスタンスを保って書き続けていることがわかる。彼が持つ良心の深さと広さに唸らされ、そしてこの著者が(「博覧強記」を気取るスノビズムとは無縁に)多彩な書籍から多くを学び世界を見据えた活動を行っていることにも感服する。日本語という言葉を深く深く学んだからこそ体得しえた文法・思考回路、そして世界を股にかける行動派的なアクティビズム。この著者が「いま」見つめているものはなんだろうと追跡してみたくなった

  • 踊る猫

    大変恥ずかしいことに、この著者の書くものは「読まず嫌い」で通ってしまっていた。日本人ではないのに日本のことがわかるものか、と私の中の偏狭なナショナリズムから来るものかなと思う。虚心に読んでみればこの著者のリベラルでそれでいて頭ごなしに何事かを決めつけない「懐の深さ」が読んでいて心地よい。『万葉集』も現代に通じるテクストであるとわかるし、温又柔や多和田葉子などの書くものに読者を誘導させる手つきも優れている。だが、この著者のそのいい意味でのバランス感覚がともすると「優等生」的に感じられるのも確かであり、剣呑だ

  • かふ

    面白い。最初に『万葉集』のことが書いてある、。リービの先輩というか先駆けがドナルド・キーンさんだったわけ(『源氏物語』を英訳している)でリービも『万葉集』を英訳していて、皇后から「枕詞をどうしました」と言われたとか。『万葉集』がそれまで口承で歌われていた歌を文語化するのに仮名が作られた。この仮名というのは、漢字は真名というのに対して偽という意味もあるという。中国の偽物だと意識していたんだ。『万葉集』が『文選』に倣ったのも。

  • shoko

    対談・エッセイ集。著者の原風景であるかつての台湾の町並みを求めて中国奥地を旅し、そこからのインスピレーションを日本語で表現する。この中国奥地の描写が刺激的で、今まで古典しか興味の射程範囲に入れてなかった中国文学にむくむくと興味が湧いた。私は北京や上海しか知らなかったけど、中国は本当に広い。/ほか、日本は閉じているからこそ不安を感じずに外国から多くのものを取り入れられる、という指摘は面白かった。

  • belle

    バイリンガル・エキサイトメント。この言葉は長い間に渡ってリービ英雄の頭の中に響いていたとのこと。バイリンガルではない私も高揚感に包まれつつ、この本を読んだ。多和田葉子。リービ英雄。そしてこの夏から温又柔。意識せずにつながった作家たち。母語にも異言語にも刺激され熱くなる。

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