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グローバル時代の歴史学

リン・ハント

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784000226400
ISBN 10 : 4000226401
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

国民国家とともに発展してきた歴史学は、大きく変貌を遂げつつある。「グローバル・ヒストリー」は、新たなパラダイムたりうるのか。歴史における「社会」と「自己」の関係をどう捉え直すべきなのか。アメリカを代表する気鋭の歴史家が、二〇世紀の史学史を通観しながら、認知科学など最先端の周辺諸科学との対話を試み、歴史叙述の“これから”を探求する。

目次 : 序論 歴史学の運命/ 第1章 文化理論の盛衰/ 第2章 グローバリゼーションの挑戦/ 第3章 社会と自己を再考する/ 第4章 新たな目的、新たなパラダイム

【著者紹介】
リン・ハント : 1945年生まれ。現在、カリフォルニア大学ロサンゼルス校名誉教授

長谷川貴彦 : 1963年生まれ。現在、北海道大学大学院文学研究科教授。専門は近代イギリス史、歴史理論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • M

    近代化論を中心とした1970年代までの因果論的説明による歴史学が、意味論的解釈に力点を置くようになった要因にある文化理論の言説との整合性を慎重に取りながら、歴史学の源流をグローバル化の文脈を踏まえた上で、従来の上流からではなく、下流の、社会と自己という観点から検証的に見つめ直す必要性を説いている。近代の少数の特定の個人が社会的影響を及ぼしたという語りには私は辟易しつつあり、近代がグローバル化を加速させたのは間違いないが、次の時代にはその背後に居る無数の匿名性の存在の意思決定が尊重される時代であってほしい。

  • おっとー

    理性や社会に目を向けられがちな人文学。因果関係や規律訓練が注目される一方で、情動や個人の物語は軽視されてきた。換言すると人間性ばかりが重視され、動物性が軽んじられたわけだ。しかしハントはダマシオの研究をもとに、理性が情動に従属していることを示す。つまり、人間活動の全てが理性的に動くわけではない。社会と個人、理性と情動の相互作用が生じている。そしてそこには誤配の入り込む余地がある。人間は必ずしも主体とはならない、物質が人間に誤配をもたらすことがある。最後の刺激物の歴史はハントによる新しい歴史の例示である。

  • hika

    グローバル化という身もふたもない概念で物事が説明されえてしまう現代において歴史を研究し、語ることの意味に多くの史家が向き合っている。本書においてもアメリカのフランス史の大家(著書にはお世話になった)が、これまでの歴史学のパラダイムと文化理論を整理しつつ、自己と社会の相乗効果に歴史の記述可能性を見ている。そして、その「自己」が認知科学的な視点から捉えなおされていること、その可能性について著者はボールは投げたが、ちゃんと拾ってないという印象。それは、今後の可能性の広がりなのか。それとも?なのかはちょと難しい。

  • いとう・しんご

    先日読んだ湯澤規子氏の「胃袋の近代」で参照図書としてあげられていたので読みましたが、これまたビンゴ。20世紀歴史学を四つのパラダイムに描き分けてその不毛な到達点を指摘した上で、21世紀の歴史学の可能性をグローバリズムとボトムアップというキーワードの中に見出し、最後にフランス革命史のお得意の専門性を駆使して、具体的な歴史学の方向性を提示してみせる手腕はお見事。書籍デザインも垢抜けており、また翻訳もとても良く出来ている。オススメです。

  • モンタニャールおじさん

    フランス革命研究で名高い著者による史学理論。近年の「グローバル・ヒストリー」に見られる経済優位・マクロ規模の歴史学に対して、文化理論・「ボトムアップ」の立場から批判を加える。その一方、フーコーの社会観を言語編制中心主義と捉え、これを批判するために認知科学の成果などを動員して「身体化された自己」というカテゴリーを新たに設定するなど、グローバリゼーション中心史観だけでなく、従来の文化理論的歴史学に対する批判も見られる意欲作。

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