CD

Tasso, Le Triomphe Funebre Du Tasse, Etc: Haselbock / Wiener Akademie O

Liszt (1811-1886)

User Review :3.0
(1)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
NCA60254
Number of Discs
:
1
Label
:
Format
:
CD

Product Description

リスト:交響詩集〜タッソー、英雄の嘆き、理想
ハーゼルベック&ウィーン・アカデミー管弦楽団

日本語解説付き

シリーズ大詰め。「リスト時代のヴァイマール宮廷楽団の再現」から見えてきた、
リストの革新的な管弦楽語法の真価・・・
解説も毎回充実、全曲を通して知ることでさらに深まる、その面白さ!
『タッソー、悲哀と勝利』では、同作を交響曲レヴェルに拡充する終章も。
秘曲2作も絶妙の出来!

先日第3巻が出たばかり、前2巻はどちらもすでに『レコード芸術』誌で準特選に輝いた「古楽器によるリスト管弦楽作品全集」、いよいよ大詰めになってきました。これまで「リストはピアノ曲ばかり書いていて管弦楽法については素人。曲のスケッチを仕上げると、あとは門弟のコンラーディやラフに管弦楽編曲を任せていた」などとまことしやかに語られ、生前からピアニストとしての人気へのやっかみ半分に「リストの管弦楽曲は斬新すぎるというよりむしろ、何もわかっていない」というような言われ方で軽視されつづけてきたのが、リストの管弦楽を使った大作。『レ・プレリュード』がナチス・ドイツのニュース番組のテーマ曲に使われたことも不運の片棒をかつぎ、20世紀も末頃になるまで欧州の一流楽団もめったにプログラムでとりあげなかったため、多くの人はそれらの真価を実際に体感した経験もなしに、なんとなくリスト管弦楽を軽視する風潮をうのみにしてきたとか。
 しかし(前2作への高評価が立証しているとおり)ハーゼルベック&ウィーン・アカデミーの徹底的な時代検証にもとづく古楽器演奏は、それがたんなる「風評被害」だったことを強く印象づけるものとなっています。19世紀半ば、リストがこれらの管弦楽作品を作曲した1850年代頃の実情を徹底的に調査、その当時の現状をリストがどう覆していったのかを、ヴァイマール宮廷楽団の帳簿や当時の人々の証言、現存する古楽器の作例などから周到に導き出し、さらにはヴァイマール宮廷劇場の広さや残響にいたるまで音響条件をことごとく再現すべく作られたライディングのフランツ・リスト・センターで録音は行われており、強烈なアクセントをみごと説得力ある表現に変えてしまうハーゼルベック随一の力強い音楽性とあいまって、リストが考えていたとおりの「当時のまま」の管弦楽の響きがここに甦ります。
 この第4弾でとくに注目すべきは、半ば交響曲のようなかたちで仕上げられていた最初の交響詩『山の上で聞きしこと』に続く音楽史上第2のリストの交響詩『タッソー、悲哀と勝利』。ルネサンス期のイタリアを代表する叙事詩作家の生き様をロマンティックに描いたこの交響詩、もともと序曲として構想されていたにしては妙に長いうえ、後年リストはさらなる終章『タッソーの葬送的凱旋』をその末尾に添えたのですが、ハーゼルベックはこの章までも収録、19世紀後半にかけてのリストの創意とオーケストラ芸術の変遷も見て取れるようにしてくれているのです。他の2曲は滅多に演奏される機会のない秘曲、しかしコントラスト豊かな解釈にはまるで手抜きがありません。磨き抜かれた解釈の隅々を成り立たせている使用楽器へのこだわりは、楽団規模(第1弾)、金管(第2弾)、木管(第3弾)と来て、今度の第4弾では弦楽器と打楽器について周到に解説。シリーズ全体を通じ、この解説(全訳付)もまた常に見逃せない内容です。(Mercury)

【収録情報】
リスト:
・交響詩『タッソー、悲哀と勝利』 S96/R413
・3つの葬送的頌歌 S112/R429〜第3番『タッソーの葬送的凱旋』
・交響詩『英雄の嘆き』 S102/R419
・交響詩『理想』 S106/R423

 ウィーン・アカデミー管弦楽団(古楽器使用)
 マルティン・ハーゼルベック(指揮)

 録音時期:2011年3月、10月
 録音場所:ライディング、フランツ・リスト・センター
 録音方式:ステレオ(デジタル)

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オーストリアの古楽器派の指揮者兼オルガニ...

投稿日:2015/09/25 (金)

オーストリアの古楽器派の指揮者兼オルガニストとして知られるマルティン・ハーゼルベックは手兵の古楽器オーケストラ、ウィーン・アカデミー管弦楽団を率いて意欲的な演奏および録音活動を展開している。本盤はハーゼルベックと手兵によるリストの交響詩全集録音からの分売で、『タッソー、悲哀と勝利』、『タッソ、勝利の葬送』、『英雄の嘆き』、『理想』の4曲を収録している。2011年3月&10月、オーストリア・ライディング、フランツ・リスト・センター音楽堂でのセッション収録。音質良好。 ライナーノーツにはオケの楽員が使用していた古楽器の一覧がずらりと並んでいて、ハーゼルベックたちの古楽器・古楽奏法へのこだわりが伝わってくる。スリムでドライな弦、古朴で鄙びた管、いかにも古楽の響きという感じである。ノン・ヴィブラート奏法も徹底されていて、細部まで配慮の行き届いた丁寧で堅実な演奏である。ただ、モダン・オケの演奏と比較するとスケールはやや小さめで、リストの音楽の特徴でもある構えの大きさも縮小気味であり、食い足りなさを覚えてしまうのも事実。バロック期や古典派の作品ならこれでもいいだろうが、ロマン派の作品だとちょっと物足らない。学術的には「正しい」演奏なのだろうど・・・・・・。リスト作品の演奏の常識に一石を投じようというハーゼルベックの意欲は買えるのでこの評価にした。 

金山寺味噌 さん | 愛知県 | 不明

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