CD

Piano Works : Mejoueva (2CD)

Liszt (1811-1886)

User Review :5.0
(2)

Item Details

Genre
:
Catalogue Number
:
WAKA4159
Number of Discs
:
2
Format
:
CD

Product Description

かくまで深き精神の営み〜リスト音楽の真の姿を伝える充実の二枚組

若くして「巨匠の風格を備えつつある」と、ここ数年の演奏がきわめて高い評価を獲得しているロシア出身の実力派メジューエワが、リスト生誕200年のメモリアル・イヤーに合わせて、超大作『ロ短調ソナタ』を録音。ショパン作品の瑞々しい解釈で知られるメジューエワですが、今回はリスト弾きとしてもその実力を遺憾なく発揮。古今の大ピアニストたちが個性豊かな名演を刻んできたこの傑作ソナタに真っ向から挑み、正攻法の解釈で作品の素晴らしさを伝えてくれます。作品の根幹を見据えた重厚堅固な構築感はまさに巨匠風。19世紀ロマン派のピアニズムを髣髴とさせるレガート奏法、強靭なテクニックと千万変化の多彩な音色を駆使して、リスト音楽の森羅万象を見事に描き上げます。
 カップリングに選ばれたのは、『愛の夢』や『ラ・カンパネッラ』といった「お約束」の名曲のほかに、神秘的で独自の美しさを備えた晩年の小品の数々。リストの多彩な魅力を満載した2枚組アルバムの誕生です。(若林工房)

「・・・圧倒的な説得力と、どこまでも深く、さまざまな彩りに縁取られた詩情は、どこからもたらされるのだろうか・・・たった一人で楽譜に向き合いながら自分自身に向き合い、作曲家への尽きることのない問いかけは、自身の内奥への問いかけとなっていく。長い時間を要しての孤独な作業を通してのみ、音は磨かれ、純化した精神とともにわきあがってくる」(谷口康雄/ライナーノートより)

【収録情報】
CD1
リスト:
・愛の夢 第3番
・メフィスト・ワルツ第1番(『村の居酒屋での踊り』)
・コンソレーション第1番〜第3番
・ラ・カンパネッラ
・ピアノ小品 変イ長調 S.192-2
・夢の中で(ノクターン) S.207
・ピアノ小品 嬰ヘ長調 S.192-4
・エステ荘の噴水(『巡礼の年』第3年より)
・カンツォーネとタランテラ(『巡礼の年』第2年補遺『ヴェネツィアとナポリ』より)

CD2
・ピアノ・ソナタ ロ短調
・子守歌 S.198
・瞑想 S.204
・忘れられたロマンス S.527
・トッカータ S.197a
・悲しみのゴンドラ第2番 S.200-2
・ピアノ小品 嬰ヘ長調 S.192-3
・P.N.夫人の回転木馬 S.214a
・暗い雲 S.199

 イリーナ・メジューエワ(ピアノ)

 録音時期:2011年4月、6月、9月
 録音場所:富山県魚津市、新川文化ホール()
 録音方式:DSD録音(「愛の夢」、「カンツォーネとタランテラ」のみ24-Bit 96kHz PCM)セッション

Customer Reviews

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待望のイリーナ・メジューエワの新譜の登場...

投稿日:2011/11/20 (日)

待望のイリーナ・メジューエワの新譜の登場だ。メジューエワは、最近ではシューベルトのピアノ・ソナタ全集の録音に取り組んでいるところであり、タイミング的にもそろそろその第3弾の登場と思っていたところであるが、リスト生誕200年を記念してのリストのピアノ作品集の登場とは、メジューエワの芸風やこれまでのレパートリーからしても大変意外であったと言わざるを得ない。というのも、昨年のショパンイヤーでは、ショパンの作品の数々の名演を聴かせてくれたこともあって、メジューエワにリスト弾きのイメージを見出すことがいささか困難であると言えるからである。したがって、本盤を聴く前は、一抹の不安を抱かずにはいられなかったところであるが、聴き終えて深い感銘を覚えたところだ。メジューエワによる本演奏は、一聴すると地味な装いをしているところであるが、聴き進めていくうちに、じわじわと感動が深まっていくような趣きのある演奏と言えるのではないだろうか。派手さや華麗さなどとは無縁であるが、どこをとっても豊かな情感と独特のニュアンスに満ち溢れており、いわゆるヴィルトゥーオーゾ性を全面に打ち出した一般的なリストのピアノ曲の演奏様式とは、一味もふた味も異なった性格を有していると言っても過言ではあるまい。各楽曲の造型、とりわけ大曲でもあるピアノ・ソナタロ短調の造型の堅固さは、女流ピアニスト離れした重厚さを兼ね備えていると言えるところであり、強靭な打鍵から繊細な抒情に至るまで、持ち前の桁外れの表現力を駆使して、同曲の魅力を完璧に音化し尽くしているとさえ言えるだろう。例によって、一音一音を蔑ろにすることなく、曲想を精緻に、そして情感豊かに描き出して行くという正攻法のアプローチを軸としてはいるが、メジューエワの詩情に満ちた卓越した芸術性が付加されることによって、リストのピアノ曲が、単なる卓越した技量の品評会的な浅薄な作品ではなく、むしろロマン派を代表する偉大な芸術作品であることをあらためて認知させることに成功したと言ってもいいのではないだろうか。悲しみのゴンドラ第2番や暗い雲の底知れぬ深みは、メジューエワの芸術家としての偉大さの証左と言っても過言ではあるまい。いずれにしても、本盤の演奏は、メジューエワの卓越した芸術性を証明するとともに、今後の更なる発展を大いに予見させるのに十分な素晴らしい超名演であると高く評価したいと考える。音質は、「愛の夢」及び「カンツォーネとタランテラ」を除くすべての楽曲がDSDレコーディングとなっており、メジューエワの透徹したピアノタッチが鮮明に再現される申し分のないものとなっていると言える。もっとも、昨年来、各社がSACD盤の発売を競って行うようになってきているところであり、本盤についても、メジューエワによる素晴らしい超名演であることに鑑みれば、可能であればSACD盤で発売して欲しかったと思う聴き手は私だけではあるまい。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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たとえば、あの聴きなれた「ラ・カンパネッ...

投稿日:2011/11/19 (土)

たとえば、あの聴きなれた「ラ・カンパネッラ」からも不思議な体験をすることになる。それはあたかもピアニストが消えてしまい、ピアノの音そのものが語りかけてくるような感覚だった。 リストといえば超絶技巧。だれが一番難解なパッセージを速く弾いているか。 そんな事にばかり気をとられて聴いていた今までの自分が馬鹿げて見えるような演奏だ。 ソナタにおける集中力の持続も尋常ではない。 イリーナ・メジューエワというピアニストの音楽は、意地の悪い聴衆をテクニックでねじ伏せて感嘆させようなどという演奏家とは全く次元を異にするものだ。 私には「恐れ入りました」というしかない。。

風のクリスタル さん | 兵庫県 | 不明

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