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地獄の門 白水uブックス

モーリス・ルヴェル

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784560072394
ISBN 10 : 4560072396
Format
Books
Publisher
Release Date
May/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

愛人の美しい髪の毛への妄執に囚われた男。死んだ男が年下の妻とその愛人に用意した皮肉な復讐。独房で自由と太陽を奪われた放浪者に残されたただひとつの希望。気球で超高空飛行に挑戦した二人を襲った恐怖の出来事…。人生の残酷や悲哀、運命の皮肉を短い枚数で鮮やかに描き、20世紀初めのフランスで絶大な人気を博したルヴェルの残酷コント。第一短篇集『地獄の門』収録作を中心に、新発見の単行本未収録作を加えた全36篇を新訳で刊行。

【著者紹介】
モーリス・ルヴェル : 1875‐1926。フランスの作家・劇作家。ロワール地方のヴァンドームに生まれる。パリで医学を学ぶが、趣味で書き始めた短篇小説が、1901年、“ル・ジュルナル”紙に採用され、作家となる。新聞雑誌に発表した数百に及ぶ短篇の多くは恐怖・復讐・死・異常心理を主題としたもので、ポーやヴィリエ・ド・リラダンの系譜を継ぐ残酷物語と評され人気を博した

中川潤 : 早稲田大学第一文学部文芸専修卒。個人出版レーベル・エニグマティカ主宰。フランスの怪奇文学や古典探偵小説の翻訳紹介を行なう(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • パトラッシュ

    愚かさ、妄執、怨念など人の心にひそむ毒が噴出する一瞬を切り取ったドラマの数々。小さな思い込みで傷ついた精神が膿み爛れ、やがて周囲を巻き込んで暴走し犠牲者を生んでいく。現代ホラー作家が百万言を費やして悪魔や怪物の恐怖を述べ立てるよりも、百年前にルヴェルがほんの数頁で描き出した人間の残酷さにこそ背筋が凍る。不実な妻に復讐する「足枷」と「鴉」の老いた夫や、自分は醜いと信じる男が女の愛を求め狂奔する「金髪の人」や「嘘」などは、心臓に矢を突き立てられるようだ。今こそ優れた短編作家の見本として再評価されるべきだろう。

  • 藤月はな(灯れ松明の火)

    陰鬱とした一場面を切り取る「読めば昏い気持ちになるが、気分が落ち込んだ日に読み返したい」作家、ルヴェル。グランギニョル作家としても名を馳せた彼の短編が白水社でお目に掛かろうとは。個人的に「足枷」は互いを愛し合わず、侮蔑する夫婦を見てきた人なら見に覚えがあるだろう。まさに最高の復讐だ。また、「鐘楼番」のような報われた結果を見ると悲しみと衝撃で声が出なくなるものもあれば、「妻の肖像」のように日常的な物語も収録。「仮面」は”醜悪な仮面で顔を隠した美貌の女”の像を愛する傲慢な男への復讐の峻烈に顔が綻んでしまう。

  • HANA

    著者の作品は以前『夜鳥』を読んで感嘆したものだけど、本書ではあの本に見られるようなグラン・ギニョルめいた残酷劇はあまり見受けられない。代わりに何があるかというと人生にふと空いたような陥穽や良かれとやった事が皮肉な調子で終わる嘲笑めいたもの。変わり果てた顔を見られないよう恋人から顔を背ける瀕死の怪我人にしても、娘の家の火事を発見した鐘楼番にしても、病人を手術した医者にしても、そこには一切救いはなく唯々人の力ではどうしようもない苦痛があるだけ。日頃気付かないだけで、地獄への門は至る所で空いているのだ。

  • くさてる

    ごく短い枚数で描かれる、救いの無い運命、皮肉、不実、死、貧困、不幸、すれ違い、悪意、殺人。収録されているのはすべてそういう風味の掌編なのだけど、どれもこれも似たり寄ったり……という印象にはならないのが面白かった。暗く救いのない世界にも皮肉なユーモアがときどき感じられるせいかもしれない。飽きずに読みました。面白かったです。

  • ハスゴン

    目立たない本でしたが、程よい短編の長さでいろんな作品を見せてくれるので少し高い本だけど、読み応えたっぷりです。ミステリファンならば読み逃すのはもったいないです。

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